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新NISA「成長投資枠」の銘柄選びに必要な視点3つ 自分なりの「勝てる再現性」を見つけるために

東洋経済オンライン / 2024年5月22日 14時0分

たばこ産業は、日本国内のみならず、世界的に見ても衰退産業です。将来の成長が見えない会社は、長期投資を前提とする新NISAには向かないと思っています。

赤字からの黒字転換で期待される株価の上昇

持続性があるかないかを判断するには、このように情報をできるだけ多く集めて、自分なりに分析し、仮説を立てるしかありません。

利益のほとんどを何かに依存していないか、競合が参入してきたときに勝てるのか、景気に左右されるビジネスではないか、時代とともに衰退していく斜陽産業ではないか。

いま流行りのEV(電気自動車)もAI(人工知能)も、このまま成長が持続する保証はありません。アンテナをしっかり張っておくことが重要です。

ポイント③ 確実性……どれだけ確かなのか?

たとえば、ある企業が「今期は黒字です」と発表したとします。しかし、発表をうのみにしてはいけません。それが本当に達成できるのか、どれだけ確かなのかを検証することが大切です。

難しそうだと思うかもしれませんが、自分なりの仮説でいいのです。

たとえば正露丸でおなじみの大幸薬品(4574)が、今期の黒字化を発表しました。

大幸薬品は、新型コロナが流行していた時期、ウイルスへの効果があるとして「クレベリン」という商品を増産しました。そのおかげで株価が急上昇したのですが、消費者庁から「根拠がない」と指摘されたことで、株価は一気に下がりました。

私は、「営業利益が黒字転換する会社」に着目しています。赤字から黒字に転換したとき、株価上昇が期待できるからです。

大幸薬品は本当に黒字化できるのか。それとも赤字のままなのか。

チェックしてもらいたいのは、決算短信に載っている通期の決算予想とその時点までの進捗です。これは、通期の業績予想に対して、四半期(3カ月)でどれだけ達成できたかを表すものです。

もし、第1四半期(1Q)で進捗率が25%を超えていれば、「黒字転換」という業績予想が達成できる可能性が高いと見てよいでしょう。

情報を得て先回りすることで受けられる恩恵も

こうした情報を集めることで、「確実性」は判断することができます。

大幸薬品の場合、赤字が続きましたが、一方で、2024年3月現在、底打ち反転して、株価の上昇を見せています。

こういった場合は、不祥事や赤字が続いても、社員と経営陣が一丸となってそこから脱却しようと努力を続けているものです。ときには血を流してリストラすることもあります。

ただ、それを先回りして、その1年前などに応援のために投資をできれば、そこからV字回復の恩恵を株主として得ることができます。

つまり、投資というものは常に予測するだけではなく、情報を得て予測をし、先回りすることが大事なんですね。

私の場合、とくに時間がないときは、この3つのポイントを念頭におきながら企業のホームページにあるIR(投資家情報)や事業内容などをチェックしています。

おさらいすると、下の図のようになります。そして、3つのポイントと照らし合わせて、割安だと判断したものだけに投資しています。いくら利益が出ていても、持続的に成長すると予測できても、安くなければ投資をしないという判断が大切です。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

上岡 正明:経営者・個人投資家

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