1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「突き抜けた目標」を持つからこそ見える境地 世界が注目する「内視鏡AI」創業者の行動哲学

東洋経済オンライン / 2024年5月22日 10時0分

よく、一介の地方都市のクリニックの医師が、なぜここまで来ることができたか聞かれることがあります。

一つ言えるのは、とにかく最初から「世界最高水準」を目指していた、ということです。

東京大学医学部卒業後、外科医として5年間の研修を経て、外科専門医資格を取得したあと、2001年から東大大学院で腫瘍学を学び、34歳で卒業、博士号を取得しました。

ここまでは、医師としてはごくごく一般的なキャリアだったと思います。
しかし、そのあと私が選択したのは、クリニックを開業することでした。当時としてはかなり異端の選択だったと思います。

ただ、私自身はクリニックを開業するとき、すでに私はこう公言していたことを、自分でもよく覚えています。

「このクリニックは、世界最高水準の胃腸科、肛門科診療を提供する」

もっといえば、自分が内視鏡医療の未来をつくるんだ、くらいに考えていました。こうした高い目標を置いたからこそ、今の私はあります。

もしこれが、開業して年収何千万円を稼ぐなどということが目標であれば、おそらく達成しておしまいだったでしょう。世界最高水準という高い目標を据えていたからこそ、クリニックの成功に満足することなく、内視鏡AIという次のステージに踏み出すことができたのです。

挑戦をまずは恐れない

しかし、高い目標を掲げている人は、実際には多くはありません。大きな目標は達成できなかったときに怖いからでしょうか。目標を高く掲げることがリスクになるからでしょうか。

よくよく考えてみてほしいのですが、誰も他人のことなど、実はそれほど気にしていないものです。私が失敗しようがしまいが、あなたが失敗しようがしまいが、そんなことは誰も興味はないのです。

あなたも、ほかの誰かが失敗したと聞いたら、一瞬「かわいそうに」と思うけれど、そのうち忘れてしまうはずです。ちょっと嫌いな人だったら「それ見たことか」くらいは思うかもしれませんが、それだけのことです。

わざわざ連絡して「君、失敗したんだってね」と言う人など、普通はいません。

ですから、失敗を恐れる必要はこれっぽっちもありません。「失敗したら、敗者だとみなされるかもしれない」なんていう余計なプライドなんて、捨ててしまったほうがいいのです。

それよりも、自分で決めた突き抜けた目標に挑んだほうがいいと思います。それこそ今も、内視鏡医療の未来をつくることが、そして、日本から世界に通用する医療機器産業を確立することが、私の目標です。そういった意味では、資金を何十億円集めることができようが、上場をしようが、それはすべて通過点にすぎません。

やらなければいけないことは、まだまだその先にあるのです。

多田 智裕:AIメディカルサービスCEO

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください