1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

大谷選手Instaで話題の「南部鉄器」9代目の挑戦 「ものづくりのバトン」を次の時代に渡すために

東洋経済オンライン / 2024年5月22日 12時30分

海外のショッピングサイトには模造品ばかりが並び、商談会では「及富」の隣に明らかな模造品が「NANBU TEKKI」として展示されたこともある。

菊地さんはXで模造品があふれる現状を発信。「世界には本物の南部鉄器を買えないと嘆いている人がいる。彼らに本物を届けたい」という思いを綴ると、賛同した人から協力の申し出があり、クラウドファンディングで約600万円を調達できた。

これを受けて「及富」は鉄器業界ではいち早く、2022年に国際発送が可能な越境ECでの販売をスタートさせた。今では国内ECと越境ECでの売上が、売上の半分以上を占めるまでに成長しているという。

ECだけで見ると、国内と海外の割合は2:1。円安の影響もあって輸出はさらに増加を見込んでいる。その矢先の今回の大谷選手の投稿だったというわけだ。

「SNSから生まれたつながりがあったから越境ECが生まれ、SNSの声が新しい商品の開発にも活きている。これからもものづくりの背景にある物語を伝えていきたい」

そう語る菊地さん。根源にあるのは、ものを作るという人間のいとなみへの敬意なのだという。

「代々続いてきた南部鉄器は、守ってきてくれた人たちのおかげで今があり、それをつないでいくのが自分の使命です」

揺るがない哲学と時代に合わせた流通で、ものづくりのバトンを次の時代につないでいく。

手塚 さや香:岩手在住ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください