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実はトレンド把握に使える「微分」簡単理解のコツ 東大生が解説、さまざまなところで活用されている

東洋経済オンライン / 2024年5月23日 10時0分

この体温計には、「実測式」と「予測式」の2つの種類があるのです。そして、おそらくより多くの人にとってなじみのある、数十秒ほどで体温が計測できるものは「予測式」体温計であり、この予測には微分が使われています。

「体温」とは文字どおり、体の温度のことを指します。手足の先や顔などの表面は季節や環境に左右されやすく、温度が安定しないのに対し、体の中枢部、すなわち内部の温度は、脳や心臓などの重要な臓器の機能を保持するために一定となっています。その温度を、「中枢温」と呼びます。

この中枢温を計測するのが一番正確なのですが、日常的に測るのは困難です。そのため、体の内部温度をより反映しやすく、簡単に測定できる場所として脇や口内、耳などの体の部位が利用されているのです。

脇に挟んだ体温計は、最初は脇の表面の温度を示します。しかし、しっかりと脇を閉じることで徐々に温まり、体の内部の温度が反映されるようになります。完全に内部の温度が伝わるためには、10分以上の時間がかかると言われています。しかし、先ほども述べたとおり、多くの体温計では1分足らずで体温を計測することができます。

ここで使われているのが「微分」です。脇を閉じてから数十秒の間の温度の「変化量」から、どの温度まで達するかを計算し、その結果から10分後の温度を予測し、その値を表示しているのです。

微分を知ると「未来」の変化を予測できる

微分の仕組みがわかると、物事の「未来」の変化を予測することができます。これは、天気予報や、日本の少子化、人口減少の分析にも役立てられています。2023年に公表された「将来推計人口」では、日本の人口が1億人を割るのは「2056年」だと推測されていますが、この推測にも微分が使われているのです。

数学は、思わぬところで世の中に大きく貢献しています。学校で習ったことも、大人になってから学び直してみると新たな発見があるかもしれません。

永田 耕作:現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長

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