1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「日本のストリートファッション」に世界が驚く訳 伝説のスタイリストが語る日本文化の影響

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 7時50分

「最初の頃は、MTVやアルバムのジャケットでラッパーが着ているような服は東京では売られていませんでした」とボーズはいう。

「ポロ・ラルフローレンのようなブランド品も、アメリカのヒップホップアーティストが着ているようなオーバーサイズや大きなロゴのものはありませんでした。1992年にぼくが初めてニューヨークに行った時は、そういう日本で売られていない服や靴を買って回りました。(A BATHING APEを立ち上げた)Nigoや他の友人たちもぼくと同じように、ニューヨークでナイキやティンバーランドを買い回って、彼らの場合は持ち帰って東京で販売したんです」。

何人かの友人たちは、アメリカのヒップホップウェアやデザインを真剣に研究していたという。

「Nigoたちはヒップホップファッションの”オタク”というか”研究者”でした。その知識によってヒップホップファッションを分解して、日本特有の素材と技術を使って再構築したんです。そしてA BATHING APEをはじめとする、自分たちのブランドを作りました。

だから、東京から発信されるヒップホップファッションが持つ、日本製の丁寧なクオリティと意識的・無意識的なアップグレードを目にした時、逆にニューヨークのデザイナーたちは驚きました。そうやってファレルやJay-Zが日本のデザイナーたちに『どうやってやったんだ?』と尋ねるような状況が生まれ、東京とニューヨークの人々が交流を始め、関係を築いていったのです」

アンブローズもボーズと同じように考えている。

「日本のブランドは、プロポーションとスケールに重点を置いています。私たちが今ストリートウェアやラグジュアリーの分野で目にしているものの多くは、日本から来ています。特に高機能服の分野は」と彼女は説明する。

「日本には、特にアメリカに輸出された場合、より高級でプレミアムな品質と思われる、美しく作られたワークウェアがあります。私たちはそれを高く評価しています。1999年に日本のセルビッチデニムを使ったことは画期的でした。日本人はプレミアム価格でデニムを買うという高い視点を持っているように見えました。ジーンズに1000ドルも出すなら、日本製のセルビッチデニムでなければなりません」

日本人独特の「ファッション観」

「日本人はファッションにお金をかけます。それがアメリカと日本の大きな違いです。日本人は家を持たず、アパートも狭いかもしれないけれど、ファッションにはお金をかける。それがここ日本では普通なんです」とボーズは補足する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください