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東大名誉教授が教える「物価上昇」続く根本原因 よいインフレ・悪いインフレの決定的な違い

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 15時0分

逆に、供給が需要を上回るケースもよくあります。皆さんが目にしたことのある光景ですよ。閉店間際のスーパーマーケットを想像してみてください。23時閉店のお店で、現在の時間は22時とします。

惣菜コーナーでは夕食のお弁当が売れ残ってしまっています。閉店間際で時間も遅いためにこれから売れる可能性も低いでしょう。実は、この状態こそ供給が需要を上回っている状態です。

なぜならお弁当はたくさんあるのに、買いたい人がいないためです。このとき、あなたがお店の責任者だったらどうしますか。

生徒 値段を下げてでも、お弁当を売り切りたいです。

そうですよね。もし廃棄になってしまえば、売上を増やすことができず、売れ残り分だけ損失が出てしまいます。このように欲しいと思う量よりも実際に出回っている量が多ければ、モノの価格は下がります。

これを一般化すると、次のように説明できます。

需要と供給の関係

「需要」が「供給」を上回る......モノの価格は上がる
「供給」が「需要」を上回る......モノの価格は下がる

欲しいと思う量が実際に出回っている量よりも多ければ、モノの価格は上がる。

一方で、欲しいと思う量が実際に出回っている量よりも少なければ、モノの価格は下がる。

これが基本です。モノの価格は需要と供給の関係性で決まります。基本をしっかりと頭に入れた上で、インフレとバブルについて理解していきましょう。

インフレでは需要が供給を上回っている

インフレ(インフレーション)は、私たちが普段購入している日用品やサービスの価格がどんどん上がる現象です。後述するように、私たちの生活に大きく影響を及ぼします。

では、質問です。モノやサービスの値段がどんどん上がっているとき、需要と供給の関係はどのようになっているか、説明できますか?

生徒 モノの値段が上がっているということは、需要が供給を上回っている状態だと思います。

正解です。需要が供給を上回っている状態です。言い換えれば、需要が大きく拡大しているのに、供給する量が追いついていない状態です。基本的には、これでインフレが発生します。

例えば、100円のおにぎりが値上げされて120円になったとすると、600円で購入できるおにぎりの数は6個から5個に減ります。同じ金額で購入できる数量が減るため、お金の価値が下がったといえます。こういった値上げが継続的に続いているときがまさにインフレです。

なお、特定の商品だけが値上がりしている状態はインフレとは言えませんので注意しましょう。世の中に出回っているさまざまな商品の価格がどんどん上がっていく状態がインフレです。

インフレは主に4種類に分けられる

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