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フランスで増加「環境問題で引きこもる子」のなぜ ジャーナリストの西村カリン氏に話を聞いた

東洋経済オンライン / 2024年5月25日 13時30分

知り合いの元校長に話を聞いたところ、日本でも数十年前には、時間割を自由に作成する柔軟さが、一定程度あったようですが、最近はどんどんその自由度が狭くなっているように感じます。今でも必要に応じて、時間割を変更することは可能だと思います。

──カリンさん自身、お子さんと接するときに気をつけていることはありますか。

長男は11歳ですが、友達と違う意見でも「同じです」と言っているほうが面倒がなくて楽だ、と早くも思い始めています。ただし、家ではまだ「ママ、水を出す量が多すぎる」「また電気がつけっぱなしだよ」と間違いを指摘してくれます。

ここで「あなたは子どもなんだから黙ってて!」と言ってはダメです。子どもが言うことが正しいと気づいたら、「そうだね、あなたが言っていることは正しい」と伝えることが重要です。

子どもが考えたことを言える環境を大人がつくる必要があります。子どもが自分の意見を言えるようになるために、家でバランスを取るのが親としての仕事だと思っています。ただ、それは容易ではないとも思っています。私自身も、子どもが言うことをきちんと理解できていないときもあります。

日仏の学校のいいとこどりを

議論のできる子を育てるのは大事といっても、私は日本の小学校のカリキュラムで議論をメインにすべきと言うつもりはまったくありません。日本の義務教育の学力水準は、PISA(学習到達度調査)の調査結果が示すように世界トップクラスです。

日本の小学校は、子どもたちの卒業までに読み書きや計算の力を身につけるという一番重要なミッションを果たしています。フランスはそれができていませんから、その面では日本の教育が圧倒的に優れています。

ただ、日本の学校には議論が足りないのは確かです。日仏の学校がお互いに「いいとこどり」をして、子どもたちの教育環境を少しでもいいものに変えていくことが必要だと思います。

横山 瑠美:ライター・ブックライター

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