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漁師めしで魅了、登録者80万人の異色YouTuber 17歳で飛び込んだ漁師の世界はしんどかった

東洋経済オンライン / 2024年5月25日 8時0分

今は漁の様子もアップしているが、陸上や屋内で撮るのとは異なり、その日の天候がどうなるのか、どれだけの魚が獲れるかもわからない。自然任せという点では大変だ。普通に漁をしている分は楽しいが、撮影をしながらだと、いつもの2.5倍くらいはしんどい。

一方、そうであるからこそ、参入障壁は高い。適当なコンテンツだと伸びないと思っていて、漁師の枠組みなど、柱から外れない動画作りに徹している。いまは漁師めしと漁、魚食と関係が深いお酒が中心だ。漁師めしであればさばくときの画角を使い、あえて船上で洗わないままのまな板を使い豪快さを残すなど、さまざまな工夫を凝らしている。漁師のイメージを大切にしたうえで調理することにこだわっている。

カキ養殖を始めたのは自分が食べたかったから

――漁師の仕事に加え、取り組んでいる事業もあるようですが。

カキの養殖や水産物のオンラインショップ「はまゆうの台所」などもやっている。カキを扱ったのは、単純に自分が作ったものが食べたいと思ったから。「自分が食べたいものをいろんな人と共有したい」という理念があり、おいしいと思ってもらえることが好きなので、こうした取り組みはどんどん広げていきたい。組織は法人化していて、撮影から編集、カキの仕分けなど、パートナーとの2人体制ですべてをこなしている状況だ。

――収支も含めて、事業はうまく回っているのですか。

それなりに稼いできたが、事業への再投資に回すことがほとんど。いまは閉店したが、期間限定の居酒屋事業には1000万円以上を投じている。カキ養殖にもすでに500万円を使った。お金は事業優先で使うので、手元にあまりキャッシュは残らない。私自身の収入は法人から受け取る年600万円の役員報酬くらいだ。

――漁師を目指す方へ何かアドバイスをお願いします。

漁師になりたくてもなれない環境が、現在の水産業にはある。自分の子どもしか組合員になれない漁業協同組合(漁協)もあり、私も漁師の息子でなかったら、なりたくてもなれていなかった。

一方で新規参入に前向きな組合もある。志望者を歓迎しているなど、受け入れ体制がしっかりしている組合にたどり着くことが、最短で最善のルートだ。あるいは、学校や塾を開くなど、志望者をサポートしている自治体を探すのも手だろう。

また、どうしても生活にお金はかかるので、ある程度収入が見込めるところも選ばないといけない。操業期間などの制約があり、収入が少ないとなると長続きしないので、下調べをしたり、頭を下げてでも教えを請うたりする姿勢が求められる。

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