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近鉄の橿原神宮前、ほかの駅にはない「レア風景」 標準軌の橿原線、狭軌の南大阪・吉野線の合流点

東洋経済オンライン / 2024年5月25日 6時30分

近鉄橿原神宮前駅の橿原線のりば。橿原線は標準軌だが、いちばん東側(左端)は狭軌の留置線(記者撮影)

近畿日本鉄道は大阪・京都・奈良・三重・愛知の2府3県にまたがり、総営業キロ501.1㎞と大手私鉄で日本一長い路線網を持つ。その路線には、大きく分けて2つの軌間(レール幅)が存在する。

【写真60枚】1940年の完成直後の橿原神宮前駅と現在の橿原神宮前駅。80年以上経った現在も駅舎の姿はほぼ変わらない。標準軌と狭軌の路線が乗り入れる駅ならではの光景とは?

近鉄特急のフラッグシップ「ひのとり」や「アーバンライナー」、2階建ての「ビスタカー」が往来する名古屋―大阪難波間、京都・伊勢志摩方面は一般的に「標準軌」と呼ばれる1435mmの軌間。もう1つは1067mmの「狭軌」で、大阪阿部野橋を発着する南大阪線、同線と直通運転する列車が走る長野線や吉野線などで採用されている。

標準軌と狭軌の路線が出会う駅

この2つの異なる軌間の路線が出会うのが、奈良県橿原(かしはら)市の橿原神宮前駅。同駅には標準軌の橿原線と、狭軌の南大阪線・吉野線の3線が「Y」の字のように乗り入れる。

【写真】1940年の完成直後の橿原神宮前駅。80年以上経った現在も駅舎の姿はほぼ変わらない(60枚)。

標準軌の橿原線は大和西大寺―橿原神宮前間(23.8km)の路線。奈良盆地を南北に縦断して結んでいる。近鉄の源流の1つである大阪電気軌道(大軌)によって1921年、西大寺から郡山までの間が開業。1923年に橿原神宮前駅までが延伸した。当時は畝傍(うねび)線という名称で、いまとはルートも駅の位置も異なっていた。

橿原線は京都線(京都―大和西大寺間)と直通運転をしており、京都駅から橿原神宮前行きの特急・急行・普通が日中は1時間にほぼ2本ずつ出ている。橿原神宮前は国内外から訪れる観光客も目にする機会が多い駅名と言える。

一方、狭軌の南大阪線は大阪阿部野橋―橿原神宮前間(39.7km)の路線。同線から分かれて延びる長野線・吉野線・御所線も狭軌だ。橿原神宮前から南は吉野線。桜の名所・吉野までを結ぶ25.2kmの路線で、近鉄の駅ナンバリングでは京都駅から吉野駅まで異なる軌間をまたがって通し番号となっている。

橿原線と南大阪線・吉野線

吉野線は今から100年前、前身の吉野鉄道が吉野口駅方面からに北へ延びて当時の橿原神宮前駅に接続。さらに省線畝傍駅まで延伸した。南大阪線はその前身の大阪鉄道が1929年、古市―久米寺(現在の橿原神宮前)間を開通させた。両社は当時から直通運転を実施していた。

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