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20年ぶり再会の「元カノと結婚」した彼が語ること お互いに「紆余曲折すぎた社会人生活」の末に選択

東洋経済オンライン / 2024年5月26日 13時0分

ほんわかした雰囲気の祐樹さんだが、内面では「こんなはずじゃない」と自己否定と現実逃避を続けていたのだろう。そんな状況に光を与えてくれたのは、大学時代の同級生である「Tくん」だった。

「僕も(彼女の)堀井(和美)さんもTくんとは卒業後もゆるくつながっていて、久しぶりに3人で会うことになったのです。都内の観光スポットを巡るはとバスツアーに参加してみようという話になり、現地で待ち合わせ。集合時間ギリギリになって焦って走ってくる女性の姿を見て、遠目にも堀井さんだとわかったんです。学生時代と全く変わっていないので……」

その和美さんが台所仕事を終えて、千葉の地酒を片手に食卓についてくれた。グレイヘアは年齢相応だが、肌艶がよくて少女っぽい雰囲気の細身の女性だ。大学卒業後は大手企業に就職。人間関係に恵まれ過ぎて先輩社員と恋に落ち、「授かり婚」をしたのが25歳のときだった。

「後から知ったのですが、彼には婚約者がいたそうです。私は知らずに略奪婚をしてしまったのですが、娘が3歳のときに彼から『好きな人ができたので離婚してほしい』と言われました。その浮気相手も職場の同僚でした……」

その後は職を転々としながらシングルマザー生活をしていた和美さん。「一人娘とベッタリの関係になるのは避けたい」という思いもあって、男性と交際することもあったが、再婚には至らなかった。

「私には遅刻癖があります。1時間も2時間も遅れても怒らずに待っていてくれるのは最初の彼氏だった祐樹さんだけでした。他の人はそんなに待ってくれません」

ずっと祐樹さんを想い続けていたわけではないが、彼と再会したときに和美さんも「学生時代と何も変わっていない。Tくんと3人でワチャワチャしゃべれる」と感じ、ブラック企業勤務でも卑屈になっていない祐樹さんに好意を持った。

44歳のときに恋人として「立候補」

「祐樹さんに彼女がいるならば幸せになってほしいと思いました。でも、彼は『遅ればせながら婚活中。誰かいい人がいたら紹介してください』と言っていたんです。だから、ダメ元で彼女さんに立候補しました」

2015年、和美さんが44歳のときの出来事である。祐樹さんとは20年以上前に一度付き合っていたという安心感もあったかもしれないが、断られて傷つくことを恐れずにすかさず恋人として「立候補」する勇気は素晴らしい。

筆者は婚活中の男女を取材することが多いが、男女関係において受け身な女性は少なくないと感じている。見た目もコミュニケーション能力も経済力も高めの男性にならば自分のほうからアプローチできるが、それはほとんど無理筋だったりする。一見した条件がよくない相手にでも「卑屈ではない」といった心の部分で共感や尊敬を抱き、自分から働きかけること。30代半ば以降でパートナーを見つけたい人に必要な姿勢だと思う。

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