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投資の視点で「良い会社」を判断するポイント 「売上」や「財務状況」だけでは実態はわからない

東洋経済オンライン / 2024年5月27日 9時0分

■各指数プロバイダーのクオリティ指数の採用指標

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

同誌によると、各クオリティ指数に用いられている財務指標を列挙し共通の特性で整理したところ、①収益性、②資本構成、③利益の安定性、④成長性、⑤会計の質、の5つに分類することができたそうだ。それぞれの特性の内容は以下のとおりだ。

①収益性:ROEや、ROA(総資産利益率)等が含まれる。資本からどれくらい効率的に利益を生み出しているかを示すものであり、どのインデックスも採用している特性である。

②資本構成:どの程度負債を抱えているかを示す指標であり、一般的に、財務レバレッジと呼ばれる。クオリティ指数においては、負債が少ない会社のほうが、クオリティが高いと判断される。これは、負債の少ない健全な企業のほうが不況時においても生き残れる可能性が高いと判断されるためだ。

③利益の安定性:毎期の利益の金額に変動が少ない会社のほうが、クオリティが高いと判断される。これは、市場の好不況や競争環境により利益の金額が変動する会社よりも、毎期安定的に予測可能な利益を生み出せる会社のほうが、クオリティが高いと判断されるためだ。

④成長性:先に挙げた図を見ると、FTSE RUSSELLのみに使用されている指標のため、クオリティを測るうえで一般的な特性とはいえないかもしれない。ここでいう成長性では、資産回転率や利益率の変化率などが重視されているため、ROEやROAが向上していく可能性を測る指標といえよう。

⑤会計の質:「利益の質」とも呼ばれる。インデックスプロバイダーのひとつであるMSCIは会計の質について以下のように述べている。

「会計上のクオリティの評価は、一般に利益の持続性および予測可能性と関連している。景気の良し悪しにかかわらず、安定的かつ予測可能な利益を生み出す企業は、通常クオリティの高い企業とみなされる。しかし、会計操作が利益の質の実態をゆがめることもよくある」(「クオリティへの逃避」MSCI 2015年9月)

会計操作で「利益の質」をゆがめることも

では、「会計操作が利益の質の実態をゆがめる」ケースとしてどのような場合が考えられるだろうか。代表的なケースとしてアクルーアル(accrual)が挙げられる。

アクルーアルは簡単に言えば、会計上の調整項目であり、実際に会社に現金が入ってきていないのに売上を計上し、利益を計上することを可能とする。

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