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イライラを鎮めてメンタルを安定させる「食」養生 漢方では五臓六腑の「肝」を整えることを目指す

東洋経済オンライン / 2024年5月27日 13時0分

実は、肝は精神的なストレスだけでなく、寒暖差(1日の中の寒暖差や、日々の寒暖差を含む)など環境による身体的ストレスの影響も受けやすいのです。寒暖差による体温調節は、予想以上に気を消耗させます。

肝が不安定になりやすい今の時期は、ストレスのコントロールに失敗しやすく、感情的になりやすい時期なので、注意が必要です。

肝の機能が低下すると、気や血の流れが滞ってしまうため、全身に影響が及び、消化器系の不調、疲労感、めまいや頭痛などの症状が表れます。

肝の機能低下による影響を以下に示しましたので、ご覧ください。

□ イライラする、キレる
□ 赤ら顔になる
□ 目が赤くなる
□ 血圧が上がる(脳卒中に至ることもある)
□ 頭痛、めまい


□ 胸から脇にかけての一帯が張る、痛む

今はこの怒が暴走して、肝の機能を低下させやすい季節です。普段から怒りっぽい人は、以下のような対処で気持ちを落ち着かせ、正常に戻すとよいでしょう。これらは『黄帝内経』に書かれている春の過ごし方です。

□ 怒ること、興奮することを避け、ゆったりした気持ちで過ごす
□ 精神的ストレス、身体的ストレスをうまくコントロールする
□ 我慢しない(気持ちを抑えつけすぎない)
□ きつい下着や服装を避ける
□ 睡眠を十分にとる

肝を元気にするには「酸味」が大事

先に挙げた対処法とともにやっておきたいのが、食生活の改善です。

肝の機能を高めるには、適度な酸味が必要です。酸味は気や血のバランスを整え、気が頭のほうに上りすぎるのを抑えてくれます。 酸にはまた、血液を浄化する、解毒するといった働きがあるので、肝がする仕事を軽減してくれます。

オレンジやみかんなどの柑橘類のほか、漢方では、パクチーや春菊、しそ、三つ葉、クレソンなどの香草類も酸の仲間に入るので、これらを適度に摂るとよいでしょう。

ただし、摂りすぎると胃に負担をかけたり、体を冷やしたりするので、要注意です。胃の調子が悪い人や月経中の方は控えめのほうがいいかもしれません。

このほか、セリやミント、新たまねぎ、みょうが、タケノコ、うど、ふき、新ごぼう、わらびなど、苦みのあるものもおすすめです。

一方で、控えたほうがいい飲食物は、脂の多い肉、甘いもの(砂糖)、乳製品、味の濃いものなど消化の負担になるものや、カフェイン(コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ドリンク剤)、アルコールです。

なかでもアルコールは、体にとっては解毒すべきものとして肝が処理しますから、肝の負担は大きくなります。

特に就寝前に飲むと、寝ている間に先にアルコールの解毒が優先されて、本来なら処理しなければならない疲労物質などの処理が後回しになるので、疲れたまま朝を迎えることになります。

平地 治美:薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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