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トヨタが「BYDの技術を採用」で呼ぶ大きな波紋 日本メーカーが中国テックに秋波を送る意味

東洋経済オンライン / 2024年5月27日 7時20分

多様な動力源に備えるソリューションを提供する、トヨタの「マルチパスウェイ」戦略に対し、ホンダは2030年以降、中国でエンジン車をハイブリッド車やBEVなどの電動車に切り替える「脱エンジン」路線を取っている。

またホンダは、2019年にアリババAIラボが開発した音声AIアシスタント(スマートスピーカー)、「天猫精霊」を導入し、スマートキャビン技術に着目し始めた。

2025年にはBEVの新ブランド「燁(イエ)シリーズ」に、ファーウェイの車載ディスプレー、航盛電子のコックピット、科大訊飛(iFLYTEK)の音声認識技術を採用すると発表している。

日産自動車は、中国の検索エンジン大手、百度(バイドゥ)と協業し、AIソリューションの強化や新たなスマートモビリティ体験の提供を図ろうとしている。また、合弁パートナーである東風汽車のリソースを活用し、2026年までに中国消費者の嗜好に合った電動車5モデルを導入する計画だ。

ヨーロッパ勢はすでに中国メーカーを活用

一方、ヨーロッパ勢は、すでに中国新興BEVメーカーの技術を活用し、自社開発プロセスの短縮や製品力の向上を図っている。

ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)は、2023年7月に7億米ドルで小鵬汽車(Xpeng=シャオペン)株式の4.99%を取得すると発表。Xpengのプラットフォームを活用するBEVを、2026年に投入する。

プジョー、フィアット、オペル、クライスラーなど10以上のブランドを有するステランティスは、2023年末に零跑汽車(Leapmotor=リープ自動車)に15億ユーロを出資した。中国のBEVサプライチェーンを活用し、自社の製造力や販売網を生かしてグローバルでのBEV事業拡大を目指す。

中国自動車産業の発展を引っ張ってきたヨーロッパ勢は、技術を「与える側」から「もらう側」へと立場を変えつつあるものの、中国大手のテック企業との提携は慎重に模索している模様だ。

その背景には、中国のメガテック企業「BATH」(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイの頭文字からなる造語)が中国BEV業界で頭角を現していることがある。ヨーロッパ勢は、システムを含む基幹部品をこれらメガテック企業と提携することで、地位低下する懸念があるからだ。

BEVメーカーの淘汰が進み強い者が勝ち残る

一方、ジャパンモビリティショー2023での「中国のBEVはスマートフォンのアイコンを並べているだけで技術的な驚きはない」というソニー・ホンダモビリティの川西泉社長の発言が、中国で物議を醸した。

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