マンション内見「急いで・たくさん」の落とし穴 内見の前にやっておいたほうがいいことがある
東洋経済オンライン / 2024年5月28日 11時0分
マイホームは人生の大きな買い物。希望に叶う物件を求めて、抜かりがないよう内見を繰り返している人も多いのでは? しかしそれだけでは、失敗してしまう可能性がある、と言うのは不動産コンサルタントで「さくら事務所」会長の長嶋修さん。「良さそうな物件が見つかったら急いで内見に行く」「とにかくたくさん内見する」ことの何が“落とし穴”なのかを見ていきます(本記事は、長嶋さんの著書『マンションバブル41の落とし穴』から一部を抜粋・再編集したものです)。
買ったばかりなのに漏水トラブル
「深く考えずに買ってしまったが、もっと慎重に選ぶべきだった」
【画像】マンション内見前に確認しておきたいこと、話し合っておきたい項目の一覧
マイホームを買って間もない山田さん(仮名)は、現在、民事訴訟の真っ最中。山田さんが訴えたのは、買った物件の売主(不動産会社)です。
当初は話し合いによる解決を目指していたものの話はこじれ、訴訟へとなだれ込んでしまいました。
山田さんの主張は「リフォームされた物件を買ったが、とんだ欠陥住宅だった」というもの。購入したマンションは、築古の物件を不動産会社が買い取り、リフォームして再販したものでした。
見学して、内装のきれいさと立地の良さに惹かれた山田さんは、近隣の新築マンションに比べると割安だったこともあり、ほとんど即決で購入を決めました。
ところが、入居してすぐに浴室(タイル張りの在来風呂)で漏水が発生。階下の住戸に浸水する事態になりました。
異常に水を使ったわけでもなく、短時間シャワーで体を洗って湯船につかっただけ。山田さんに落ち度があったわけではありませんが、階下の住人に対し損害賠償責任を負う羽目になりました。
保険で対応できたのは不幸中の幸いでしたが、引っ越して早々に階下の住人と気まずくなってしまいました。
業者を呼んで原因を調べてもらったところ、仕上げタイルの下の防水層が劣化していました。防水層は古いままで、リフォーム時に防水工事はされていなかったのです。結果、防水工事で多額の追加出費を強いられることになりました。
この一件後も、大した負荷をかけたわけでもないのに作り付けの棚が壊れたり、床鳴りが気になったり、巾木(はばき)の浮きに気づいたりと、大小さまざまな不具合に見舞われた山田さんは、たまりかねて不動産会社にクレームを入れました。
しかし、不動産売買契約における契約不適合責任の期間中であるにもかかわらず、納得のいく対応をしてもらえず、裁判沙汰になってしまったのです。
気になる物件「即内見!」の前に
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