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銚子電鉄の「だじゃれ」はどのように生まれるのか ユニーク商品や映画「電車を止めるな!」秘話も

東洋経済オンライン / 2024年5月28日 6時30分

会議は行っているが雑談の機会も大切で、社員たちからいろいろなアイデアが出ることが多いという。確かに雑談の中だからこそ、生まれる柔軟な発想や面白い内容があるのかもしれない。

「経営状態がまずい」が発端に

次にネーミングだ。「まずい棒」などのユニークな商品開発はどのように行われたのか。

「まずい棒は、私のビジネスパートナーであり銚子電鉄のアドバイザーである実業家の寺井広樹さんが発案者。当初は本当にまずいものを作ろうと2人で試行錯誤した。2年ほど経った頃、寺井さんが、思い切って“経営状況がまずいにしませんか?”と。それはいいと思い“経営状況がまずい”が、キャッチコピーになった」

さらには、「合言葉は、まずい、もう1本。というイメージで販売した。販売開始は2018年8月3日の破産の日。破産は縁起が悪いので、“破産はいやいや”という語呂合わせで、18時18分にした。寺井さんとの二人三脚で、開発した商品だ」。

また、「“電車にのってほしいも”は、当時の社外取締役が考えた。“再建もなか”は、社員の発案。再建の最中だと社員が言ってこのネーミングになった」。

続いてメディアでも話題になった映画「電車を止めるな!」の制作費についてである。

「実際のところ2400万円くらいかかった。現時点での興業収入は2800万円くらい。では400万円の黒字になっているかというと、当社の収入は約半分だ」

映画館と折半になるため、2800万円だと1400万円ほどということだ。製作費は回収できていない状況だ。

「2400万円はいろいろな費用。何度も撮り直しした。クラウドファンディングやスポンサーさんのご協力もいただいたが、それでも費用が足りなくて。私が借金して、どうにかした」

オリジナル商品のおかげで銚子電鉄が注目を浴び続けていることは多くの人が知るところだし、実際に経営の赤字を大幅に減少させている。しかしながら、銚子電鉄を長年利用している地元住民の反応は、どうなのだろう。

「自虐ネタでお菓子を販売したり、自虐ネタを言っていったりしている分には、人は傷つけていない。ただ、当社は皆さんに助けていただいている会社にすぎないので、やはり勘違いしてはいけないといつも思っている」

どのように地域に貢献するのか

竹本社長は、今後の銚子電鉄についてどんな考えをもっているのか。

「鉄道存続がかかっているといつも言っているが、例えば、存続自体を前提にした目的ではなくて、存続を前提として地域の皆さんにどう恩返しができるかを、もっと考えていかなくてはならない」

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