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銚子電鉄の「だじゃれ」はどのように生まれるのか ユニーク商品や映画「電車を止めるな!」秘話も

東洋経済オンライン / 2024年5月28日 6時30分

具体的には、「動画サイトやSNSで当社のPRをしているが、本来の鉄道事業の目的は鉄道による地域への貢献だ。それをもっとやっていかなくてはならないと思っている。全然足りていない。そういった使命をしっかりブラッシュアップしていく」。

具体的には、地域の事業者や地域の人たちと連携して、さまざまな商品やサービスを開発していきたいという。そのためにもさまざまなメディアで取り上げてもらう機会が大事であろう。

「メディアに取り上げていただけるのは本当にありがたい。当社の強みなんて何もないけども、多いときは、年間に200回程度各種メディア等頻繁に取材していただき、ありがたい限り。当社は経営状態が非常に厳しいが、厳しい厳しいって言っているだけではどうしようもないので、エンタメ鉄道と公言し、注目してもらえるようにしている」

確かにそのおかげもあってか、車両や設備の置き換えも進んでいるようで、今年の3月から運行を開始した元南海電鉄(2200系)の22000形が運行を開始した。銚子電鉄にとっては、ワンオーナー落ち(中古車の中古車ではない車両)は久しぶりだ。

現状の暫定的な1時間に1本のダイヤを最終的には、以前の30分ヘッド(1時間に2本)に戻したいという想いも語ってくれた。しかし、「最低でもやっぱり、4編成を堅持しないとダイヤを戻せない。利用者のことを考えて、もう1編成なんとか確保したい。4編成を維持できないと、ダイヤを守れない」。

では、そのためにはもう1編成導入するのか。

「それは予算の兼ね合いによる。補助金をいただいてという話になると思う。当社の負担は3分の1とはいえ費用がかかるので取得できるかどうか」

ちなみに、22000形と入れ替わりに引退した「大正ロマン電車」2001編成(2001+2501)は評判がよく、次回導入する車両についても、観光需要を考慮した観光列車にしたいと語っていた。

ユニークな発想が存続の力に

竹本社長は最後に、こう締めくくった。「鉄道は地域の広告塔であり情報発信地。地域に少しでも貢献するためにつねに何か行動していかねばならないと思っている」。

22000形登場時は「シニアモーターカー(ベテランの車両)」、「なんかいい銚子(南海・銚子)」というダジャレが注目を集めた。同社のダジャレや自虐ネタが飛び出してから数年たつが、はじめの頃は「まじめに鉄道業をする気があるのか」という心配の声もあったという。

だが、こういったユニークな発想や取り組みは、現在の銚子電鉄存続の大きな力になったことは間違いない。今後も銚子電鉄の動向に注目していきたい。

渡部 史絵:鉄道ジャーナリスト

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