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静岡知事選も「自民敗北」、麻生政権末期と共通点 支持率低迷、総裁選に向け"岸田離れ"も拡大

東洋経済オンライン / 2024年5月28日 8時30分

静岡県知事選で当選確実の報道を受け、万歳する鈴木康友氏(写真:時事)

事実上の「与野党対決」の構図で注目された静岡県知事選は、26日投開票され、無所属新顔で前浜松市長の鈴木康友氏(66)=立憲民主、国民民主推薦=が、無所属新顔で元副知事の大村慎一氏(60)=自民推薦=らを破り、初当選した。投票率は52.47%(前回52.93%)だった。

政局の重大な分岐点とされた4月28日の「衆院トリプル補欠選挙」が、自民「全敗」、立憲「全勝」だったのに続き、大型地方選挙での自民敗北は岸田文雄首相にとって大きな痛手。与党内には「もはや会期末解散などありえない」(公明幹部)との声が渦巻き、岸田首相周辺も「(解散は)極めて困難になった」(官邸筋)と肩を落とす。

そうした中、知事選開票に先立ち、岸田首相は26日午後に韓国・ソウルを訪問。同日の個別会談に続いて、27日には日中韓首脳会談を行った。同首脳会談は新型コロナの世界的大流行や、それぞれの政治的関係の複雑化で、4年半以上開催が見送られてきただけに、岸田首相は得意の首脳外交での存在アピールを狙ったものだ。

しかし、最新の世論調査でも裏金事件の影響から内閣支持率はほぼ横ばいの低迷状態が続き、今回も外交ビッグイベントの成果よりも知事選敗北のダメージのほうが上回ったことは否定できず、今後の岸田首相のさらなる求心力低下も避けられそうもない。

鈴木氏、地元浜松を軸に「与野党対決」を制す

今回の静岡知事選は、川勝平太前知事が4月に職業差別と受け取られかねない発言で猛批判を浴び、任期途中で辞職したことに伴うもの。鈴木、大村両氏のほか、共産党公認の森大介氏(55)ら過去最多の新顔6人が立候補したが、選挙戦は鈴木と大村による「与野党対決」の構図となった。

選挙戦の最大の焦点は、未着工のリニア中央新幹線静岡工区への対応。川勝氏は大井川の水資源と南アルプスの自然環境の保全を訴えて着工を認めなかったが、鈴木氏は水と環境の問題を解決したうえでの「推進」を掲げており、今後、JR東海や政府と着工に向けた議論を進める方針とみられる。

当選した鈴木氏は、浜松市長を4期16年務めた元衆院議員。県内では知名度も高く、市長としての実績もあり、自動車大手スズキのドンとされる鈴木修相談役ら県西部政財界の支援を受け、次期衆院選もにらんで泉健太・立憲民主代表や玉木雄一郎・国民民主代表らも応援に入ったことで、地盤の県西部を中心に支持を拡大して接戦を制した。

これに対し、静岡市出身で総務官僚から同県副知事となった大村氏は、県中部政財界の支援を受け、自民色を薄めた「オール静岡」で鈴木氏を追い上げたが、わずかに及ばなかった。

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