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子育てを難しくする「強い親でいること」への呪縛 がんばるのはもうやめて、もっと弱音を吐こう

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 6時50分

「この子を守らなくちゃいけない。そのために自分で考えて行動しよう」というのと、「この子を守らなくちゃいけない。そのために、自分は鉄よりも強くならなくちゃいけない」というのは、ぜんぜん違うと思います。

「強くならなくちゃいけない」と思っているお母さんは、いつまでも強くなれないから、どこかでポキっと折れるんです。

「強くならなくちゃ」と思い続けているときは、ずっと空気を吸い続けている状態です。だから、ものすごくがんばっているのに、息が吸えなくなってしまうんです。

そんなお母さんに言えることは「がんばるの、やめなさい」ってことだけ。そうしたら、息が吐けます。そして、弱音も吐けます。

弱音を吐いたら、周りが変わる

周囲に頼られて、「自分がしっかりしなくちゃ」「がんばらなくちゃ」と思っていると、誰にも弱音が吐けないときがあります。

教員時代(校長になる前)の私自身が、まさにそうでした。

校長や教頭は頼りにできませんでしたし、逆に同僚の教師たちはみんな自分を頼っていましたから、しんどくても、そう言えなかったのです。「しんどい」「つらい」なんてこぼしたら、みんなに信頼されなくなるんじゃないかと不安でした。

でも、初めて校長になったとき、弱音を吐ける人になろうと、自分をアップデートしたんです。

「子どもに『くそばばぁ』って言われた……」

「失敗しちゃったらどうしよう?」

校長自らが率先して、誰よりも一番に、弱音を吐きまくったんです。

そうしたら、変化が起こりました。周囲の先生たちも、弱音を吐くようになったんです。

少しずつ、職員室が、弱音を吐ける場所になりました。そうしたら、誰も一人ぼっちにならなくなりました。

「困ったことがあれば、ここに来て言えばいい」──そんな雰囲気になったら、困り感を抱えた子どもたちが、次から次へと「助けて!」って、職員室に飛び込んでくるようになったんです。

いつのまにか、校長の私自身も、背負っていたたくさんの荷物を肩から下ろしたときのように、すごく体が軽くなっていました。「よく道も間違えるし、方向音痴だし、間違いもする。でも、これが私なんだ」って思えたら、ものすごく働くことが楽しくなっていきました。

ママ友にも言えない。

職場の人にも言えない。

だんなも頼りにならない。

学校にも、話せる先生がいない。

子どものことは全部私がやらなくちゃいけない。

こんなプレッシャーを抱えて、1人で奮闘しているお母さん、たくさんいます。

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