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成田空港の滑走路そば「東峰神社」予想外の現在 機動隊員3名が殺害された「三里塚闘争」は今…

東洋経済オンライン / 2024年5月29日 11時50分

などと自らの行動を全否定する会話をしながら進んでいくと、道のどん詰まりは広場になっていた。

神社自体は小さく、比較的新しい石の鳥居があり、その奥に祠があるだけだ。コンクリ製の石畳には「2004・4・15」と刻印してあり、祠の前には小さい賽銭箱が置かれていた。手水の場所はあったが機能していない。神社を出た場所には古井戸のようなものがあったが、鉄網で囲われていた。

神社の周りには、10人くらいの人がいた。

「貴様、誰だ」

などと怒鳴られたかったのだが、警察にも運動家にも吠えられなかった。家族連れや友達同士の、いたって和やかで穏やかな雰囲気だった。

広場の真ん中には柴犬が肛門丸出しで座っていて、みんながキャッキャ言いながら写真を撮っていた。

普段は新興宗教に突撃して怒り心頭の信者の写真を撮っている藤倉さんも、

「お〜かわいい、かわいい」

とか言いながら柴犬を写しはじめた。

「……なんか違う」

怒鳴り声、ピリピリした空気、そんな修羅場を期待していたのに、想像と違いすぎて思わず苦悶の表情になってしまった。

しかし、みんななんでわざわざ正月から、こんな神社に来てるんだろう?

「ここは飛行機を撮りに来る人が多いよ」

ダウンジャケットを来た中年の男性に教えられた。

たしかにすぐ横が成田国際空港なんだから、飛行機を見るには絶好の場所だろう。ただ、いい大人がわざわざ飛行機見たって何とも思わないだろうに。立ち去ろうとも思うが、その男性が、「あと5分で来るよ」と言うのでとりあえず待つことにした。

子供が「まだかな? まだかな?」とワクワクしている。飛行機でワクワクするなんて、こいつまだガキだな……と思っていると、キーンというジェット音が聞こえてきた。

その刹那、ぐおおおおおおっと本当にすぐ目の前を飛行機が通り過ぎていった。巨大な塊が迫りくる臨場感が半端ない。

「すげー! すっげー!」

と思わず声が出た。めっちゃワクワクした。急に満足感で満たされた。

初詣をした6日後に、韓国に行くことになった。海外旅行は2020年2月以来だ。

前回も韓国で、ちょうどパンデミックが発生した翌日に渡航した。ずっとピリピリした雰囲気だった。その後本格的なコロナ禍になってしまい、海外にも行かなかった。

ちなみに最後に韓国旅行をした時には西荻窪に住んでいたのだが、その後すぐに東村山に引っ越した。東村山からの海外旅行は初めてだった。少し、空港までの距離は遠くなった。つまり空港まで行くのに時間がかかる。

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