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セブン&アイが北米責任者に「年77億円」払う理由 業績連動で膨張、報酬額は井阪社長の22倍に

東洋経済オンライン / 2024年5月30日 7時0分

スピードウェイという大型買収の影響でデピント氏の報酬総額ははね上がった。その一方で、セブン&アイの井阪社長の報酬は3.4億円、セブンーイレブン・ジャパン社長を兼ねる永松文彦取締役は1.7億円にとどまる。

今回の報酬面での「親子間格差」は、日米の役員報酬のあり方の違いだけでは説明がつかない。セブン&アイはコンビニ事業に経営資源を集中させており、その中でも伸びしろの多い海外事業、特に北米の重要性が年々高まっていた。そうした変化を如実に表したものといえるだろう。

本来、取締役の報酬は株主総会の決議によって決めるものだ。セブン&アイでは取締役の報酬総額を年間10億円と定めている。デピント氏のSEIからの報酬は、直接的にセブン&アイ取締役としての報酬ではないため、この総額には含まれない。

5月28日に開催された定時株主総会でも、セブン&アイの取締役の報酬総額が10億円の枠に収まっているため、報酬が議題になることはなかった。株主からの質問も、国内コンビニ事業に集中し、海外事業やそれを担う事業会社のマネジメントに対する質問はゼロだった。

取締役メンバーの実質的な報酬がここまで多額であることを、どこまでの株主が認識していたか。今回のデピント氏の破格の役員報酬は、株主のガバナンスを海外子会社まで及ぼすことの難しさを表しているともいえそうだ。

冨永 望:東洋経済 記者

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