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「公立中高一貫校」目指すのに欠かせない2つの条件 「3年間塾漬け」でも受からない子は受からない

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 6時50分

受検準備に時間をかければかけるほど、「不合格」という結果が幼い体に「努力が報われない体験」として強烈に刻み込まれ、自己肯定感が下がってしまいます。公立中高一貫校の受検が、全員にとって最良の学習ルートではないということをぜひ知っておいていただきたいと思います。

公立中高一貫校を受検するなら、

「試験対策に時間と費用をかけ過ぎないこと」

「前向きな撤退選択を常に持っておくこと」

この2つが絶対条件です。

適性検査対策に多大な時間と費用をかけ、公立中高一貫校に不合格だった場合の最終進学先として「適性検査型入試を実施する私立中学」という選択があります。

公立中高一貫校が増えるにつれ、不合格だった子どもに入学してもらおうと、適性検査型入試を導入する私立中学が登場しました。なかには、「都立〇〇中そっくり適性検査」と、特定の公立中高一貫校の受検生をピンポイントで狙った入試も見られます。

適性検査型の私立中学を受けることの是非

私は、適性検査型の私立中学は検討をしなくてもよいというスタンスです。その理由は、選択肢が非常に限られてしまうからです。2024年時点で、東京で適性検査型入試を実施している私立中学のほぼ全校が、日能研偏差値30~40台です。

偏差値で学校の価値が決まるとは決して思いませんが、自由競争下の中学受験市場で、偏差値50以上の私立中学が適性検査型の入試を実施しない理由はよく考えておく必要があります。

適性検査型入試は現状、生徒募集で苦戦している私立中学の頼みの綱になっています。2024年度、生徒募集が安定し始めた開智日本橋学園中学・高等学校が適性検査型入試を廃止したことは、それを象徴しています。

都市部に住む最大のメリットは、学校の選択肢の豊富さです。適性検査型の私立中学は選択肢の幅が狭く、その恩恵を十分に享受できません。偏差値50以上の私立中学が取り除かれた状態で適性検査型の私立中学を検討するなら、高校受験ルートにするか、負担覚悟で私立中学受験ルートに邁進したほうが、子どもに合った学校に出会える可能性が増えるでしょう。

ただし、地元の公立中学校をどうしても避けたいケース、初めからその私立中学を熱望しているケースはその限りではありません。

適性検査型の私立中学は倍率が非常に低く出ている学校が多くあります。勉強が得意でない子向けの学校もあります。こうした学校を積極的に狙うのもまた、多様な受験形態の一つなのです。

東田 高志(東京高校受験主義):塾講師・教育系インフルエンサー

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