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親子にとって「中学受験がそんなに悪くない」理由 ポストコロナで「中受」の負担は少し軽くなった

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 9時30分

3年超の休職から職場復帰した筆者が語る、コロナ禍が中学受験に与えた影響とは(写真:studio-sonic/PIXTA)

「急性白血病と診断されます」。診断後、即休職、翌日入院。人生に突如発生する「電源オフ」、そんな生活の強制終了をどう乗り越えるのか。

そのヒントになればと願いつつ、「人生における電源オフ」を迎えた経験を振り返ったのが、山添真喜子氏の『経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら』である。氏は2018年の8月より、9カ月間、入院した。退院後には、通院による維持療法、加えてコロナ禍、猛暑による体調不良なども加わって、3年超の休職をすることになった。2021年秋に職場復帰した。今回は、コロナ以前/以後の中学受験と、オンラインについて語っている。

母親不在の生活で勉強するということ

「これでやっと、テキストや参考書が捨てられる。待ちに待ったこの日がやっと来たな」

次女の中学受験が無事に終わった2月某日。かなりのスペースを陣取っていた塾のテキスト、参考書や関連プリントを捨てるため、朝から廃棄物の仕分けを始めた。

「一気にいらなくなったテキスト類を捨てられるのは、マンション居住者の特権なのでは?」などと考えながらマンションのごみ捨て場と自宅を何往復もした足取りは、軽かった。

整理をしている最中、ちょうど4年前、2020年に長女が中学受験をしたときに使った参考書やプリント類も出てきた。

「あのときから4年も経っているのか……今回は前回の中学受験とはいろいろと違ったな」

2回目の中学受験生の伴走を終えてみてしみじみと感じたのは、4年前とはだいぶ違う景色が見えたということ。トータル6年間にもおよんだ中学受験生伴走生活に一区切りをつけるためにも、2回の受験を通じ、どう違うものが見えたのか振り返ってみたい。

2018年に急性リンパ性白血病を発症した私は、9カ月間入院し化学療法による治療を受けた。その年の8月に入院したとき、5年生だった長女は、母親不在の日常生活を送りながら塾に通い、宿題をこなし、テストに向けた勉強を一人で行わなければならなかった。

6年生で苦戦を強いられた姉

「この冊子を見ても、どんなことを習っているのかよくわからないなあ」

入院中の私の手元にあるのは、塾が配布した年間学習計画が記載されている冊子だけだった。子供の宿題の丸つけができたら、各単元の理解度や苦手な単元がわかったと思うが、それもかなわなかった。

私が退院したのは、塾では新6年生としての2カ月が経っていた2019年4月だった。「受験本番までまだ10カ月あるから、挽回できるはず」と当初は思っていたのだが、4教科の知識をインプットする5年生時に母親不在だったインパクトは予想以上に大きく、演習中心の6年生のカリキュラムでは苦戦を強いられた。

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