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今年も25万人「タイフェス」巨大成長した深い理由 最初の来場者3万人から日本屈指のイベントに

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 12時0分

さらに1990年代、こんなキャッチコピーが話題を呼んだ。

“タイは、若いうちに行け”

いしだ壱成さんが出演した、タイ国際航空のCMだ(その後、長瀬智也さんにバトンタッチ)。この言葉のインパクトが大きく、いまとは違って円高という後押しもあり、多くの若者たちをタイ旅行に誘った。

また1990~2000年代は、やはり円高を背景に日系製造業がタイに続々と進出した時期でもあり、ビジネスでもタイと行き来する日本人が急増。

こうしてタイへの親近感がグッと高まった時期だっただけに、タイフェスティバルはあっという間に人気のイベントとなった。

2003年からは「食」だけでなくさまざまなコンテンツを紹介することに。これまでにPOTATOやカラバオといったタイの超大物バンドがやってきたこともある。

「ボランティアで来てくれる人も多かったんです」(ガーンジャナハッタキット公使)

やはり人気のロックバンド「FRY」の元ボーカルであるイートさんも、代々木のステージに立った一人だ。彼はたまたま、当時の外交官の知人。イートさんが日本に遊びに来るタイミングでちょうどタイフェスティバルが開かれるからと、大使館から出演を打診してみたところ、快くOKしてくれたのだという。

全国で開催されるようになったタイフェス

やがてタイフェスティバルは東京だけでなく全国に展開していった。2001年からは大阪でも在阪タイ総領事館がフェスを開始。さらに名古屋や仙台、静岡など各地で開催されるようになった。

2017年からは佐賀でもタイフェスが始まった。意外な場所のように思うが、これはタイで放映されたドラマがきっかけだ。ラブストーリー「STAY Saga~わたしが恋した佐賀~」など、これまでに佐賀県はいくつものタイのドラマや映画のロケ地になってきた。県をあげて積極的に誘致したからだ。

そして作品にハマったタイ人の視聴者が「聖地巡礼」で佐賀を訪れるようになる。背景にはタイの経済発展と、2013年から始まったタイ人の訪日ビザ免除がある。今度はタイ人の間で、日本旅行ブームが巻き起こったのだ。

「そんなご縁もあって、佐賀県内の人にもっとタイを知ってもらおうとフェスが始まったんです」(ガーンジャナハッタキット公使)

こちらはいわば、インバウンド需要が生んだ流れと言えるだろう。

日本全国で定着したタイフェスティバルをテコに、タイ大使館ではさらにタイの文化をアピールしていったという。

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