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今年も25万人「タイフェス」巨大成長した深い理由 最初の来場者3万人から日本屈指のイベントに

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 12時0分

「フェスのある5月に合わせてタイの果物や物産を販売しようと、大使館の商務参事官事務所がイオンさんと協力してフェアを行うようになったんです」(ガーンジャナハッタキット公使)

各地にあるイオンモールでは、5月前後に小さなタイブースを設置するところもあれば、キッチンカーやブースを並べるところもある。とりわけ幕張新都心店や成田店では大きなフェスを催してきた。

さらに成城石井でも、タイ政府観光庁の協力のもと、今年4月は「タイフードフェア」を開催。「タイ」そのものが日本人にとって魅力的なコンテンツになっていることと同時に、時流を読み日本人の嗜好をしっかり捉えていくタイ人のビジネスセンスも感じるのだった。

タイカレーを販売する日本企業も参加

こうして代々木公園の5月の風物詩として定着したタイフェスティバルは、2005年にはすでに来場者30万人を記録。以降、天候にもよるが(そしてコロナ禍のときは中止となったが)コンスタントに25万~30万人を集める巨大イベントに成長していった。

大賑わいとなっていたシンハービールのブースでは、5月11日の初日、お昼過ぎの時点ですでに600本が飛ぶように売れたという。

「例年よりいいんじゃないでしょうか。これだけ盛り上がるのでアピールのしがいがありますよね」(ブース担当者)

タイフェスティバルを通じて、シンハービールが日本人に定着してきたと感じているそうだ。

レトルトのタイカレーを販売する食品メーカー・ヤマモリのブースも大盛況。なんと第1回からずっと参加し続けているそうだ。今回はコロナ禍以降、久しぶりに試食も再開した。

「こういう機会に食べていただいて、興味を持っていただけたら」(ブース担当者)

タイフェスティバルと一緒に会社も成長してきたところはあるというが、出店する企業にとっては消費者へのアピールの場というだけではない。ガーンジャナハッタキット公使が言う。

「来場者にはビジネス関係者も多いので、商談の機会でもあるんです」

東京のタイフェスが世界展開のお手本に

タイ関連のほか、観光、食材や貿易関連など、さまざまな企業同士が交流する場としても、タイフェスティバルは注目されているのだ。

「いまでは東京のタイフェスティバルが、世界中のお手本になっていますよね」(ガーンジャナハッタキット公使)

スイスやスウェーデン、ブラジルなど世界各国でタイフェスティバルが行われているそうだが、東京が最も規模が大きく、またビジネスとの結びつきや両国の交流など、深く広く現地社会に浸透してきた。

「日本に住むタイ人たちにとって、自慢のイベントなんです」(ガーンジャナハッタキット公使)

2023年からは、タイ外務省の方針でフェスティバルの自立性を高めるよう奨励されたこともあり、主催には民間企業が参入し、またスポンサーを募ることになった。

「来年以降も引き続きスポンサーを歓迎しています。これだけ経済効果のあるイベントは魅力的だと思いますよ」

今後も両国の友好の象徴として賑わうことだろう。

室橋 裕和:ライター

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