1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

愛知県小牧「航空自衛隊の唐揚げ」で狙う町おこし 「甘辛スパイシー米粉空上げ」のレシピを提供

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 11時20分

小牧商工会議所は名古屋コーチンの普及に向けた取り組みも積極的に行っているため、当初は小牧基地の空自空上げを名古屋コーチンで作ることができないかと考えていた。

「試食会はおおむね好評でしたが、商品化するとなると、高級食材ゆえにどうしても価格がネックとなって、誰でも気軽に食べられるというわけにはいかなくなります。空自空上げと名古屋コーチンのそれぞれにブランド力があるので、別々で取り組んでいこうという結論に至りました」(三輪さん)

リピーター続出のホテルランチ

早々に仕切り直しとなったが、小牧商工会議所は小牧基地から甘辛スパイシー米粉空上げのレシピを提供してもらい、メニューとして販売する店を募集した。そこで名乗りを上げたのは、市内の喫茶店とホテル、食品加工会社。それぞれレシピを基に何度も試作を重ねて、昨年8月に行われた認定式で小牧基地から認定証が贈られた。

商工会議所の呼びかけにより3軒の認定店からスタートし、現在10軒まで増え、問い合わせも数多くさらに拡大中である。

認定店の一つで、名鉄小牧駅前にある「名鉄小牧ホテル」へ向かった。

「出張で来られるお客様が多いので、朝食ビュッフェで提供すれば全国にPRできると考えました。評判は上々で、現在は朝食ビュッフェのほか、ホテル内のレストラン「日本料理 有楽」のランチで提供していますが、地元のリピーターのお客様も大勢いらっしゃいます」と、支配人の大原隆一さん。

それが「小牧航空自衛隊『空上げ』御膳」。大ぶりな唐揚げ4個にサラダと茶碗蒸し、ご飯、赤だし、香の物、デザートが付くボリューム満点の御膳である。肝心な味だが、米粉を使っているので表面はカリッと、中身はもっちりとした独特の食感。とろみのある甘辛いタレもご飯がすすむ。そのまま食べても十分美味しいが、添えられた柚子塩を付けると、さっぱりとした味わいになる。

小牧基地のレシピを忠実に再現する必要はなく、米粉を使ったグルテンフリーの唐揚げであり、甘辛いタレを使うこと、地産地消という観点から愛知県産の醤油やみりんを使うことが条件。愛知県は醸造が盛んな土地でもあるため、決してハードルは高くない。それ以外の部分、例えば下味の味付けや味変アイテムは認定店ごとにアレンジできる。

甘辛ダレに負けない鶏のコクと旨味

次に訪れたのは、肉や魚介、野菜、調味料に至るまで、すべて天然ものや農薬不使用にこだわった自然派レストラン「シェ シュシュ」。オーナーシェフの清水勝久さんはもともとフレンチのシェフだが、生産者たちの想いを伝えるべく、食材そのものの美味しさを追求し続けているうちに料理のジャンルにこだわりがなくなってきたという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください