1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

愛知県小牧「航空自衛隊の唐揚げ」で狙う町おこし 「甘辛スパイシー米粉空上げ」のレシピを提供

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 11時20分

「小牧商工会議所から空自空上げの話を聞いて面白そうだと思って作ってみました。認定されたのは昨年10月です」と、清水シェフ。

目の前に運ばれたのが「空自空上げ定食」。メインの空自空上げは、徳島県産の神山鶏。たっぷりのサラダは、契約農家から届けられた10品目以上の野菜を使用。小鉢やご飯、味噌汁も付く。

空自空上げを頬張ってみて驚いた。神山鶏のコクと旨味が甘辛ダレに負けていないのだ。むしろ、タレやスパイスが鶏の旨味を引き出しているように思えた。そして、店の名物といわれるこだわりの一品でもあるサラダも野菜そのものの味が濃厚で、口の中に広がった辛さをリセットしてくれる。たしかに唐揚げであるのは間違いないのだが、食べ慣れているジャンキーなそれとはまったくの別物である。少し残念(?)なのは、毎日提供していないことだ。

「店には『空自空上げ定食』以外でお米や味噌汁が付くメニューはないんです。お米を玄米から精米したり、味噌汁の出汁をとるために昆布を水に浸け込んだりと手間がかかるため、週に1回のペースでしか提供できないんです。店のFacebookページなどSNSで告知を行っています」(清水シェフ)

ふるさと納税の返礼品として商品化

小牧基地の空自空上げは、小牧市まで来なければ食べることができないのかというと、そうではない。小牧市のふるさと納税の返礼品として商品化を企画中で、その製造を手がけるのは「デリカ食品工業」。焼鳥や唐揚げなど鶏肉の加工を主とした食品加工会社だ。

「本年3月に開催された『小牧基地オープンベース』に出店し、空自空上げを100キロ(約600人分)用意したところ、午前中には売り切れました」と、営業部長の平山勝幸さん。

ここの空自空上げは、小牧基地のレシピを忠実に再現。甘辛ダレには愛知県碧南市産のたまり醤油とみりんを使用し、深いコクのある味わいに仕上げているのが特徴だ。ご飯はもちろんのこと、ビールやハイボールにもよく合う。

ふるさと納税では、1万2000円の寄付で返礼品として冷凍の空自空上げ500グラム(3〜4人分)が4パック届くという。また、これを機に市内小売店舗やEC販売による販路拡大を模索している。今後、空自空上げが多くの方に手軽に食べていただく機会が増えていきそうだ。

空自空上げは小牧市以外でも航空自衛隊の基地がある青森県むつ市や三沢市、北海道根室市、福岡県築上(ちくじょう)町などの飲食店でも食べることができる。もっとエリアが広がって、全国の航空自衛隊基地周辺の市町村で空自空上げを食べられるようになったら、名実ともに海自カレーやミリメシを超える名物になるだろう。

永谷 正樹:フードライター、フォトグラファー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください