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「部下に任せられない」上司がはびこる残念な理由 必ずシワ寄せがきて、会社にもマイナスになる

東洋経済オンライン / 2024年5月31日 7時10分

まず「怒る」ことについて。これが理想的な上司かダメな上司かの明暗を分ける境界だと思います。「怒る」というのは、感情をコントロールできずに相手に怒りをぶつける行為です。怒ったほうはスッキリとしますが、怒られたほうは傷ついたり、恨んだり、怯えたりします。

何をしても怒られてばかりいると、新しい何かに挑戦したり、自分の意思で行動したりすることは損だと考え、言われたことしかできなくなります。結果として、怒られた部下は成長できないし、モチベーションもどんどん下がっていきます。そういう意味では「怒る上司」はダメな上司だと言えます。

しかし、会社に利益を生み、状況を改善するためであるなら、厳しい言葉も必要なときがあります。その厳しさは、「怒る」ではなく、「叱る」であるべきなのです。

「叱る」と「怒る」の違い

人生を振り返ったとき、意味もなく怒ってばかりいた人に感謝の念を抱くでしょうか? しかし、自分のために嫌われるリスクを取って、真剣に叱ってくれた人のことは、後になって感謝することがありませんか?

「叱る」には、相手のためを思って改善する方法を考え、相手の心に届くように伝えなくてはなりません。「叱る」と「怒る」はぜんぜん違うのです。だから、正しく「叱る」ことができる上司は、信頼関係を築ける良い上司なのです。

そういう意味では、「叱る」ことができて「怒らない上司」は理想的だと言えます。相手を威圧することなく諭したり、改善するための行動を指示したりするには、部下に対する観察力や、自分が部下の責任を負う覚悟、高度なコミュニケーション能力が必要とされます。怒られたと感じさせることなく、相手を正しく叱って結果を出し、信頼関係を強めながら状況改善ができるなら、それが一番理想的なのでしょう。

ただ、怒られないと物事の深刻さがわからない人もいるので、怒らない上司の場合は、部下のほうにも、ある程度は上司とうまくやりたいという気持ちや、仕事に対する向上心などの、素養が必要かもしれません。

そのうえで、「怒れない(叱れない)上司」というのは一番ダメだと言えます。部下が問題を起こしたときに、何も言わなければ、反感をかうことはありませんが、問題は何も改善しません。それによって、何度も同じミスが起こる可能性もあります。再発防止のために、時には恨まれる覚悟で苦言も言うのが上司の仕事です。

怒れない上司の多くは、「部下が辞めてしまうかも」「恨まれるかも」と、パワハラやモラハラに発展することを恐れています。しかし、保身に走って部下を育てることができないなら、それは上司としての職務を放棄しているようなものです。「怒れない上司」は、失敗に対して「怒る上司」よりも、無責任な上司だと言えます。

時には割り切ることも大事

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