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「Netflixストーカー実話」海外と日本で温度差の謎 売れない芸人が主人公「私のトナカイちゃん」

東洋経済オンライン / 2024年6月1日 12時30分

Netflixで全世界配信後、7週連続で公式「週間グローバルTOP10」入りする高評価の問題作「私のトナカイちゃん」(画像:Netflix)

Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

大量の「iPhoneから送信」メール

たった一杯奢った紅茶をきっかけに、年上の中年女性からストーカー被害に遭った男性の物語がダークホース的に高評価を得ています。ドラマのタイトルは「私のトナカイちゃん」。知名度のある役者は誰一人登場せず、「これは実話である」という文言から始まるよくあるNetflix的な犯罪ドラマのように見えますが、Netflixで全世界配信後、7週連続で公式「週間グローバルTOP10」入りし、記録を更新しています。世界的ヒットに繋がったのには納得の理由があります。

【写真】強烈なインパクト! 女性ストーカーのマーサ役を演じるジェシカ・ガニング

ロンドンに住む20代後半の売れない芸人ドニーが物語の主人公です。ある日、ドニーが働くパブにいかにも悲しそうな表情を浮かべて涙ぐむ1人の中年女性が入ってきます。しかも「一杯の紅茶を頼むお金もない」という彼女にドニーはただただ同情し、奢ってしまう。それが半年以上にわたるストーカー被害の始まりです。

恋愛対象にはない謎の女性から完全にロックオンされてしまうドニー。職場のパブに毎日のように通い詰められ、うっかりメールを交換してしまうと、困惑するほどの大量のメールが届きます。これほど「iPhoneから送信された」という言葉に恐ろしさが詰まっているものはないほど。さらに承認しなければ良いものをFacebookでも繋がってしまうと、迷惑コメントの嵐です。

ストーカー度合いはエスカレートしていきます。でも、なぜか深刻な被害に遭っていないように見えなくもないのです。強姦の恐怖感がないことや、コメディタッチで描かれていることも大きそうですが、全7話のうち3話までは引っかかりを覚えながら進んでいきます。むしろそのワケを突き止めたくて見進めてしまうのかもしれません。

ネット上でさらされる実在の女性の素性

弁護士を名乗って忙しいキャリアウーマンを装い、ドニーに付きまとう中年女性のマーサを演じるジェシカ・ガニングの演技力にも圧倒されます。気が触れたような笑い方は、怪しさ極まりないマーサをうまく表現しています。ちなみにタイトルの「私のトナカイちゃん」は、マーサが一方的に気に入って呼んでいるドニーの愛称です。

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