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京阪天満橋直結のランドマーク「OMM」の存在感 アパレルの集積地として建設された巨大ビル

東洋経済オンライン / 2024年6月1日 6時30分

その後、大阪マーチャンダイズ・マートは2015年、京阪電気鉄道によって完全子会社化され、2016年に京阪建物へ商号変更した。

京阪建物OMM事業部の安井彰彦さんは「いまでこそガラス張りですが、開業から20年はコンクリートの壁がむき出しでした。ガラスは3カ月に1回清掃をしています」と説明する。OMMは1989年、大規模改装⼯事によって従来のコンクリートパネルの外壁をガラスのカーテンウォールで覆う外観に生まれ変わった。

ビルは京阪本線・中之島線と大阪メトロ谷町線の天満橋駅と地下通路でつながっており、雨に濡れずに移動することができる。地下2階は手軽に利用できる飲食店が軒を連ね、とくにランチタイムには周辺のオフィス街で働く人たちでにぎわう。地下1階にはクリニックや調剤薬局、「マーチャンダイズビル内郵便局」、配送センターがある。

地上2階の展示ホールと会議室は大小さまざまなイベントやビジネスの場に活用される。中・上層階がオフィスで京阪ホールディングス本社は9、10階に入っている。テナントにはやはりアパレル関係が目立つが、行政機関などが近い立地を生かして拠点を構える事業者もあるようだ。

22階は「プレミアムオフィス」。かつては回転展望レストランがあった。現在は一般開放されていない屋上広場の「スカイガーデン」からは、大阪城や中之島が一望できる。

かつての本社ビルが隣接

大川側の展示場棟の東に建つ8階建ての「京阪天満橋ビル」は、OMMの完成より7年さかのぼる1962年の竣工。当時は「新本社ビル」として京阪電気鉄道の本社が置かれていた。いまはホテル京阪や京阪ザ・ストアなどのグループ企業が拠点を置く。

京阪本線の線路が地下から地上へ出る上空には巨大な立方体の旧機械棟。旧機械棟と、隣接する駐車場棟の建設にあたっては、分割した構造物のブロックを移動させながら架設していく「トラベリング工法」が採られた。

大川と軌道敷の間に大型クレーンなどの重機の作業スペースが取れないことと、電車の運行に支障をきたさない安全性確保のためという。展示場棟のある場所で、旧機械棟と駐車場棟の地上部分を作った後に、軌道敷の外側に設置したレールを使って順に移動させ、所定の位置にあらかじめ作っておいた基礎部分と一体化させた。

1998年に旧機械棟にあったボイラーなどの熱源設備を改修、本館地下への移設を実施した。旧機械棟の煙突は、かつて灯油炊きボイラーと非常用発電機などがあった名残で、いまは使われていない。

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