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認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か

東洋経済オンライン / 2024年6月2日 7時40分

記憶障害がある場合は「健忘型」といい、アルツハイマー病や血管性認知症になる確率が高いとされている。そして記憶障害のない場合を「非健忘型」といい、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症になりやすいそうだ。

MCIになった場合、早めに治療や対策を行ったほうがいい。なぜなら認知症へと進んでしまうリスクが高いからだ。

「認知症は、脳の神経細胞が減少して萎縮した状態です。萎縮した脳を元に戻すことはできませんから、早期の段階で見つけて、適切な治療や対策を行うことが大切になります」と岩田さん。

一方で、MCIになったからといって、必ずしもすぐに認知症へと進むとは限らず、「適切に対処すれば元に戻ることさえある」と、岩田さんは言う。実際、MCIになると1年で約5〜15%が認知症になるものの、約16〜41%は年相応のレベルに回復し、残りはMCIのレベルにとどまるとされている。

糖尿病は認知症リスクが高い

では、認知症へと進行しないために、自分自身でできることはあるのだろうか。岩田さんは「まずは、認知症に深く関わっているとされる生活習慣病を予防・治療・改善することです」と答える。

「高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は、MCIおよび認知症になるリスクを高めます。普段から生活に注意して、こうした生活習慣病にならないことがMCIや認知症の予防につながります」」(岩田さん)

すでに生活習慣病になっている場合も、きちんと治療して病気をコントロールすることが大切だ。

特に糖尿病は、認知症になるリスクを大きく上げることがわかっている。九州大学の研究によると、糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症にかかるリスクが2〜4倍になるという。

これは糖尿病によって動脈硬化が進み、血管性認知症にかかりやすくなるだけでなく、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの排出も阻害されることで、アルツハイマー病にもかかりやすくなるためだ。

また、いったん認知症になってからも高血糖状態が続くと、認知症が早く進行するおそれがある。治療の副作用により重度の低血糖になっても認知症のリスクが高まるため、適度な血糖コントロールが肝要だ。

「よく言われていることですが、普段からバランスのよい食事を心がける、しっかり睡眠をとる、規則正しい生活を送る、毎日30分程度の運動を続ける、などが大切です。つまり“健康にいいとされている生活を送る”ということにつきます」(岩田さん)

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