モヤモヤした気分を劇的に変える「和の習慣」6つ 仏教から学ぶリフレッシュ法・ストレス対処法
東洋経済オンライン / 2024年6月3日 16時0分
怒り、焦り、嫉妬、不安、後悔……マイナス感情というのは、自然と湧いてくるものであり、それを止めることはできない。けれどもその感情をいつまでも「引きずる」のはよくない――。
新著『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力』では、禅僧であり、世界的な庭園デザイナーであり、ベストセラー作家でもある枡野俊明さんが、禅には、「引きずらない力」を磨き、日々を明るく、たくましく生きるためのヒントがたくさんある、と説きます。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。
何か大変な問題が起きたときは
楽観的にゆく――「まぁ、どうにかなるさ」と考える
何か大変な問題が起きたとき、悩んだり、心配したり、いくらジタバタしてもムダです。なんとかならないものはなりません。
しかし自分に起きる問題は、たいていの場合、なんとかなります。
矛盾するようですが、なんとかなるか、ならないかは、気の持ちようで決まる、ということです。では具体的に、どのように気持ちを持っていけばいいのか。
まず「なんとかしよう」という思考をストップさせます。それにより、「どうしてこうなったんだ」とクヨクヨしたり、なんとかせねばとあわてたり騒いだりするジタバタも止まります。
そうして心が落ち着いたら、前を向いて大きな声でいいましょう。「なんとかなるさ」――と。
あとはクリアになった頭で、少しでも事態がよくなるよう、できる限りのことをするのみ。努力を続けていれば、やがて起死回生の機は熟します。
仏教流にいえばそれは、「努力という因が、チャンスという縁を結ぶ」ということです。何があっても楽観的に前を向いて努力すれば、必ずチャンスをつかめます。
物欲は際限なくふくらむ
欲を“厚着”すればするほど、心は寒くなる
物欲というのは、放っておいたら際限なくふくらみます。決して満足せず「もっと、もっと」と新しい物を欲しがるのです。お釈迦さまもこういっています。
「執着の強い人は、ヒマラヤの山を黄金で埋めても、まだ満足しない」
たしかに物欲で“着ぶくれ”しているような人は相当数います。けれどもどこまで“欲の厚着”をしても満たされないとは、なんと心が貧しいことでしょう。
同じくお釈迦さまは、ご臨終を迎える最後の教えとされる『遺教経(ゆききょうぎょう)』という長いお経のなかで、こう書かれています。
「知足の人は地上に臥(ふ)すといえども、なお安楽なりとす。不知足(ふちそく)の者は、天堂に処すといえども、また意にかなわず。不知足の者は富めりといえどもしかも貧しし」
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