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半端ない復旧への熱「火の国」熊本ご当地鉄道事情 新幹線に観光列車、海へ山へ路線は意外に充実

東洋経済オンライン / 2024年6月5日 6時30分

豊肥本線には、「あそ」「九州横断特急」「あそぼーい!」「かわせみ やませみ」といった特急・観光列車も走る。熊本にやってきたら、まず乗っておきたい鉄道路線だ。

そして、豊肥本線の立野駅からは、阿蘇外輪山の南側を走る第三セクター・南阿蘇鉄道が分かれている。こちらもまさに絶景続きのローカル線。2016年の熊本地震以来、立野―中松間が長期にわたって運休していたが、2023年7月15日に全線で復旧。阿蘇観光の柱になることが期待される。

ここで再び熊本駅に戻る。三角線は観光列車「A列車で行こう」が走るローカル盲腸線。島原湾を見ながら走るこれまた絶景車窓が見どころで、終点の三角駅では天草諸島に連絡する航路とも接続している。

ハイボールを飲んでジャズに酔いしれて、異国情緒漂う天草の旅へ……。なかなかよくできた誘いである。

熊本市内を走る路面電車

熊本市内には、他にも私鉄や路面電車が走っている。まずは、漱石の降り立った上熊本駅にも乗り入れる熊本電鉄だ。北の終点は合志市内の御代志駅で、東京メトロや都営地下鉄の旧車両が活躍していることでもおなじみだ。熊本の町中で、昔懐かしの列車に出会う楽しみもまた、旅の魅力といっていい。

熊本駅や上熊本駅とは少し離れた場所にある熊本の中心市街地を走るのが、熊本市電の路面電車。ちょうど熊本城の天守閣に見下ろされて走る区間もあれば、鶴屋百貨店や上通り・下通りのアーケードが連なる繁華街も通り、白川を渡った先では郊外へ。“水の町”熊本らしさを象徴する水前寺公園へのアクセス路線でもある。

……と、このように、熊本県の鉄道はほとんど熊本駅を中心に成り立っているといっていい。ただし、もちろんそればかりではない。九州新幹線に乗って少し南に走れば、新八代というターミナルがある。八代市の第2のターミナル。この八代という町を起点として、在来の鉄路はふた方向に分かれている。

1つは、旧鹿児島本線が第三セクターに転じた肥薩おれんじ鉄道線。レストラン列車の「おれんじ食堂」は、近年の観光列車ブームの火付け役で、2013年の登場から10年以上経った今でも八代海を望む車窓とともにいまだに高い人気を保っている。

ちなみに、九州新幹線はおれんじ鉄道線に並行して走っていて(並行在来線だから当たり前ですが)、鹿児島県との県境近くには水俣の街。おれんじ鉄道のターミナルは水俣駅、九州新幹線は市街地から少し離れた新水俣駅である。

山越えて鹿児島へ抜ける

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