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「嘘の笑顔で自撮りする人」が幸せになれる根拠 ニッコリ笑った自撮りがもたらすスゴイ効果

東洋経済オンライン / 2024年6月6日 16時0分

しかし、自撮りをするにしても、笑顔で撮るのは難しいと感じる方も多いでしょう。そんな方は、グループB・Cのような、自分の好きなものや、家族や友人が喜びそうな写真を撮影するとよいでしょう。

ただ、それはそれとして、「嘘の笑顔でもいいから自撮りをする」というのも1つの手です。

なぜなら、単純な脳は、つくり笑顔でも「心から笑っている」と勘違いしてしまうことが分かっているからです。

笑顔には、さまざまな健康効果があることが分かっています。カンザス大学のタラ・L・クラフトとサラ・D・プレスマン[2]は、つくり笑顔でも効果があることを実証しています。

彼らは、被験者に1分間、氷水に手をつけてもらうなどして、ストレスを与えたあとに、次の三つの方法で箸をくわえさせる実験を行いました。

①軽い微笑みに見えるように箸をくわえる

②口角が上がって大きな笑顔に見えるように箸をくわえる

③リラックスした状態で特に表情に変化がないように箸をくわえる

どうしてこんなことをしたかというと、笑顔にはストレスホルモンのコルチゾールの分泌を抑制する効果があるからです。

「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ」

要するに、本当に楽しくて笑うのではなく、箸のくわえ方で「笑顔っぽい」顔になるだけでも、本来の笑顔が持つストレス軽減効果があるか――を測定しようとしたわけです。

そうして箸をくわえた被験者の心拍数やストレス度を計測すると、②「口角が上がって大きな笑顔に見えるように箸をくわえる」被験者たちの心拍数やストレスが、最も低いという結果が出ました。

心理学者のウィリアム・ジェームズ[3]は、「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ」と述べています(これを「ジェームズ・ラング説」と言います)。

さらに、「体が先、脳が後」という順番もポイントになります。このことをご存じでない方は、私たちの体の動作は「脳が体に指令を出して、それを受けて体が動く」という順番で決まっていると思われるかもしれません。

しかし、脳波を調べる技術の進歩などによって、「体が先、脳が後」は近年の科学的な常識となっています。

簡単に言うと、じゃんけんをするとき脳内でグーを出そうと思ってから体がグーの動きをするのではなく、グーを出そうと体が動きはじめてから脳がグーを出そうと思いはじめるイメージです。

嘘でもいいからニコニコするといい

カリフォルニア大学のベンジャミン・リベットらの研究[4]では、脳が「○○しよう」と意識する信号よりも、脳がその動作を体に伝える信号のほうが、平均で0.35秒早いという結果が出ているのです。

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