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「ワンオペ育児」を7年間続けた私が痛感した弊害 ライフハックを駆使し乗り切ろうとしたが…

東洋経済オンライン / 2024年6月6日 11時30分

365日、体調が悪い日も、寝不足でも関係なく続きます。このような状態であれば、誰だって心の寛容さを保つのが難しくなりますよね?

「リベンジ夜更かし」で悪循環

ワンオペ育児が問題なのは、いくら、ワンオペで生活を回せているように見えても、その内実として、当事者の親の心の余裕を減らしてしまうことです。

私も、長男のときはワンオペでもどうにかなった、と思っていましたが、振り返ると1人でやらなければいけないストレスを、身体的にも精神的にもずっと感じている状態でした。

当時は「リベンジ夜更かし」もよくしていました。

「リベンジ夜更かし」とは日中、仕事や育児などで忙しく過ごした人が、本来なら早く寝て体を休めたほうがいいとわかっていても、つい夜更かしをして動画を見たり、漫画を読んだり、自由な時間を過ごそうとすることです。

私は育休明け1年目ぐらいのころ、自分でもなんだかよくわからないストレスを抱え、子どもを寝かしつけたあと、ワインを飲みながらパソコンを開いたり、Amazon Primeを見たりしていました。

当時の心境としては、早く寝たほうがいいのはわかっていても、無駄に時間を過ごした感覚がないとやっていられなかったのです。

その時間のおかげで心の平穏が保たれていたわけですが、問題は睡眠時間を削っていること。リベンジ夜更かしが続くと、疲れが一層募る、という悪循環になっていたと思います。

緊張度が高く余裕がない状態というのは、人を余計にイライラさせます。そのイライラは、家族というシステムの中で、最も弱い子どもに向いてしまいやすくなる。

そんな状況を作り出す可能性を持っているワンオペ育児は、たとえできたとしても、すべきではない、というのが今の私の実感です。

その後、我が家はコロナ禍を経て夫の帰宅時間が早まり、私のワンオペ育児度は大幅に改善されました。また自分がコントロール権を持てる時間を意識して増やしたおかげで、朝にヨガやランニングの時間を確保できるようになり、リベンジ夜更かしもしなくなりました。

自由な時間を捻出できるようになったのは、他人の「こうしたほうがいい」とか「こうすべき」という声に振り回されず、嫌なことは嫌、できないことはできない、と言えるようになったのも大きかったと思います。

そのおかげで、以前より子どもにイライラすることがずっと少なくなったと感じています。この経験を踏まえて、私は「ワンオペ育児はできてもしないほうがいいよ」という話を、音声メディア(Voicy)でもするようになりました。

過去の私と似た立場の人へ伝えたい

かつての私は、ワンオペ育児を乗り切るために、家電や外注を最大限に活用したり、時間の使い方を効率化したりといったライフハックを駆使していました。

しかし、今はそうしていません。仕事も家事も、育児もとライフハックの方法を模索するより、長い目で見て、ワンオペ育児にならないように、夫婦で働き方を考え直したり、他者に頼ったりしたほうが家族全員の幸せにつながると考え方が変わったからです。

「ワンオペ育児はできるけれど、しないほうがいいのではないか」「 ワンオペ育児の弊害が家族のどこかに表れていないか」。

もし今、ワンオペ育児の方、もしくはパートナーにワンオペ育児をさせているという方は、ぜひ立ち止まって考えてみてください。この話が、過去の私と、似たような状況にいる誰かの役に立てば幸いです。

尾石 晴:Voicyパーソナリティ

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