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レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにできる1つのこと

東洋経済オンライン / 2024年6月8日 17時0分

人間は50代になると手に持っている物の感覚が弱まり、70代からその傾向が顕著になります。すると、物を落としやすくなるのです。また、65歳以上になると手先の感覚は若いころの半分になり、物を持つ力は30%減少するという報告もあります。

つまりTさんは、加齢による触覚の変化により「お釣りを乱暴に渡された」と感じ、そのうえで物を持つ力が落ちてきているので、うまく小銭をつかめず下に落としてしまったかもしれないのです。

そして、その後の店員さんの謝り方や声のボリュームに対して文句を言っているのは、Tさんの聴力に起因すると考えられます。なぜなら、70代で半分近く、80代以上では70%以上の人が難聴になることがわかっているからです。

この店員さんは若い女性なので、真摯に対応していても、Tさんは「声が小さくて誠意が感じられない」と受け取ってしまったのかもしれません。

このように、Tさんがお釣りの渡され方を乱暴に感じるのも、小銭を落としてしまうのも、店員さんの声が小さく聞こえて誠意がないと感じるのも、その背景に加齢による身体変化があることは論をまたないでしょう。無自覚のうちに、老害力はどんどんアップしていってしまっているのです。

しかしいずれにせよ、小銭を落としてしまったあとの対応はやりすぎです。周囲の人たち(ほかのお客さん)への配慮が、著しく欠けています。
こういう行動をくり返していたらいつの間にか社会との「壁」ができ、その厚みはどんどん増していくことになるでしょう。

「老い」を自覚することで衝突が回避できる

コンビニのレジに限らず、お客さんがお店のスタッフともめているシーンを目にすることがあります。みなさんご自身、もしくは身近な人に心当たりはないでしょうか。

高齢者の場合、このTさんのように加齢にともなう身体変化が関連してくるケースもあるので、自分にはいっさい非がないのか、本当の原因はどこにあるのか、ということを今一度考えてみることをおすすめします。

店員さんの態度や口ぶりには納得がいかないけれど、自分がそう感じる理由、向こうにそうさせてしまう理由は、自分にもあるかもしれない――。
こう思うことができたらしめたものです。

加齢による触覚や聴覚の変化は、自分では気づきづらいものであり、個人差もあります。でも、老いは誰にでも訪れるもの。

それを自覚することができれば、無意味な衝突を避けることができるようになるはずです。老害レベルも着実に下げられます。Tさんの場合、店員さんにそこまで強く当たらずに、コンビニを立ち去ることができたかもしれません。

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