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レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにできる1つのこと

東洋経済オンライン / 2024年6月8日 17時0分

加えて、自らの正義感に固執しすぎるのもよくないです。明らかにお店側や店員さん側に非がある場合、それを指摘したり、正したりするのは構いません。しかし、ものには程度というものがありますよね。

正義感の強い人は、やや粘着質といいますか、自分が正しいと思っていることをくり返し、徹底的に主張する面があります。そしてそれが、周りに迷惑をかけている可能性があることを忘れてはいけません。

Tさんは、自分の正義を貫こうと一生懸命になっていたのでしょうが、その結果、会計待ちの列に並んでいるほかのお客さんの待ち時間を延ばすという事態をまねいてしまっています。

「逆の立場だったら」ということを考えると、周囲に与えた影響をありありとイメージできるのではないでしょうか。

なお、触覚が弱まっていくことは食い止められませんが、感覚を鈍らせないための工夫をすることならできます。

高齢者は肌が乾燥しやすく、それが物を触る感覚を鈍らせる一因になるので、ハンドクリームを塗るなどして保湿ケアに努めましょう。とくに、肌の水分や油分が少なくなりやすい男性に効果的です。

振り上げた拳を無理なくおろしてもらうには

お客さん側ではなく、店員さんの立場だったらどう対応するのがベストでしょうか。お店とお客の関係に限らず、自分の正義感を強く主張してくる高齢者と対峙するシチュエーションをすべて含めて考えてみましょう。

絶対にやってはいけないのが、相手(高齢者)がかざす正義を真っ向から否定することです。

もちろん、「間違っているのはあなたのほうです」や「その考え方は古くさいからやめたほうがいいですよ」などが典型的なNGワードになります。

先ほどのTさんのケースでいえば、店員さんが「お釣りはちゃんと渡しましたよ!」と反論するのはいただけません。火に油を注ぐだけで、事態はさらに悪化してしまうでしょう。

大切なのは、折れることと降りることです。

自分は間違っていないと思っても、その意識をいったん封印し(折れる)、自分のほうが正しいとは思わず、へりくだって相手に受け入れてもらうようにする(降りる)と、正義感を主張する高齢者も振り上げた拳をおろしやすくなるでしょう。

こちらから、相手の老害力を下げるアプローチをすることは可能なのです。

正面からゆっくり話すだけで効果は絶大

Tさんにまくしたてられていたコンビニの店員さんは、しっかりこれを実践(謝罪)していました。

しかし、高齢者の聴力が弱くなっていること、しかも若い女性の言葉が聞き取りにくくなっていることが頭になかったため、声が小さく、態度がよくないと受け取られてしまいました。

そこを理解し、Tさんにちゃんと伝わるように話していたら、状況は変わっていたかもしれませんね。

正面からゆっくりと話しましょう。ただ大声で話すよりもそのほうが相手に伝わりやすくなります。そしてこの手のトラブルは、同世代間や知人間でも起こり得るのでご注意ください。

Tさんのように自分の正義感を信じて疑わず、強く主張してくるタイプの人は「壁」をつくりやすく、ささいなことがきっかけで突如絶縁を切り出してきたりします。

知り合いとの関係性が悪くなるのは気分のいいものではないので、売り言葉に買い言葉にならないよう、折れることと降りることをつねに頭の片隅に置いて接していきたいですね。

平松 類:眼科医/医学博士

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