休日を「寝てよう日」にする人、疲れが取れない訳 疲労を加速させる睡眠を「休養学」博士が解説
東洋経済オンライン / 2024年6月8日 11時0分
休養とは「寝ること」だと思っていませんか?
疲労研究の第一人者で医学博士の片野秀樹氏によれば、単に体を休めるだけでは50%程度しか疲れはとれません。フル充電するには、あえて自分に軽い負荷を与え、「活動→疲労→休養」というサイクルに「活力」を加えた「攻めの休養」をとることが大切です。
寝すぎることが疲労回復の妨げになるのはなぜか。片野氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より抜粋・編集してお届けします。
体の機能がどんどん低下
上手な休養のためには「寝すぎない」ことを意識する必要もあります。
理由は2つあります。まず、必要な睡眠時間は人によってまちまちです。睡眠の長さは時間で計ることができますから、平均を出そうと思えば「6時間」とか「8時間」などと算出することが可能です。OECDのデータによると、日本人の睡眠時間はだいたい7時間ちょっとという平均値が出ています。
しかしそれはあくまで平均値にすぎません。3時間睡眠で十分な人がいる一方で、できれば10時間寝たい人もいます。逆に3時間で十分な人が、10時間寝ようとしてもストレスになるばかりでしょう。
疲れているからといって寝てばかりいるのがよくない理由の2つめは、休んでばかりいると体の機能が衰えてくることです。つねに適度に動かしていないと、能力がだんだん下がっていきます。
「ベッドレスト」という言葉があります。いわゆる安静にしている状態を指し、横になっているけれど眠っているわけではなく、横になって休養をとっている、寝転がるという意味です。
入院しているときなどがまさにこの状態にあたります。食事ももってきてもらえるし、場合によってはトイレにすら行かなくてもいい。体の内部で生理的な活動をおこなっているけれども、生活上の活動はほぼ止まっている状態です。
ベッドレストの状態が必要以上に長引くと、体の機能はどんどん低下します。
実はたった1日、寝て過ごすだけでも、骨格筋という体を動かす筋肉の中の筋タンパクがおよそ0.5~1%減少するというデータがあります。
筋肉量は20歳くらいがピークで加齢とともに下がっていき、70歳くらいでおよそ6割に減少します。若さや元気を保つためには体を動かしたほうが体力を維持できます。現代人は、仕事中はどうしても座っていることが多くなります。自分の体力をなるべく高い位置に保つには、休日は体を動かすことを心がけてください。
睡眠と自律神経
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