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「子どもの近視」は大人が想像する以上に深刻だ 「視力が1.0未満の割合が過去最高」の衝撃

東洋経済オンライン / 2024年6月8日 15時0分

視力が1.0未満の子どもの割合が過去最多を更新しています(写真:Blue flash/PIXTA)

「視力が1.0未満の子どもの割合が過去最高に」――。

2023年の秋、あるショッキングなニュースが報じられた。

文部科学省による調査の結果、裸眼視力が1.0に満たない子どもの割合が小学生で約38%、中学生で約61%、高校生になると約72%となり、いずれも過去最多を更新したというのだ。

日本では過去40年以上にわたり、子どもの近視は増加の一途をたどっている。「昔に比べてメガネをかけている子が増えたな」とは皆さん何となく感じていたのではないだろうか。

日米で30年以上眼病研究を続ける眼科医であり、近視撲滅を目指すクボタグラスの発明者である窪田良氏は著書『近視は病気です』(東洋経済新報社刊)でこうした状況に警鐘を鳴らす。

今、子どもの目が危ない

突然ですが、あなたは近視ですか? 

おそらく半分の人が「近視です」、半分の人が「いえ、私は目はいいです」とおっしゃると思います。

なぜそんなことが言えるのかというと、さまざまな調査によって、日本人の成人のおよそ5割前後が近視であるという結果が出ているためです。

日本で今、その「近視」が大きくクローズアップされています。

2023年11月に、文科省があるショッキングなデータを発表し、世間を大きく驚かせました。

問題になったのは、2022年度の「学校保健統計調査」です。それによると、視力が1.0未満の子どもの割合が、過去最多となったのです。

それによると、裸眼で視力が1.0に満たない小学生は37.9%、中学生は61.2%、高校生になるとさらに増えて71.6%となりました。

つまり、小学1年生で約4人に1人が近視であり、小学6年生以上になると2人に1人以上が近視、しかも大人を上回る割合になっているということです。

今から45年前の1979年度は視力が1.0未満の小学生は17.9%、中学生で35.2%、高校生でも53.0%でした。当時より、大幅に増えていることになります。

このことは、メディアでも大きく取り上げられましたから、ご覧になった方も多いでしょう。

実はその前の年、2022年にも、文科省は同じように衝撃的なデータを公表しています。こちらは、全国の小中学生を対象に、眼軸(がんじく)の長さを初めて調査したものです。

目の長さが大人並みに

眼軸とは、要は目の奥行きの長さです。眼軸が長いほど、近視が強いとされています。

調査の結果は驚くべきものでした。

小学1年生の平均で男子が22.96㎜、女子が22.35㎜。小学6年生の平均では男子が24.22㎜、女子が23.75㎜――。成人の平均が24㎜程度です。つまり、なんと、小学校高学年で眼軸の長さが大人並みに長くなっている――つまり、近視が非常に進んでいることが明らかになったのです。
さらに、中学3年生では、男子が24.61㎜、女子が24.18㎜と、さらに長くなっていることが判明しました。

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