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破格の1800万円「スカイラインGTS-R」納得の理由 800台限定の希少車、GT-Rを名乗れなかった1台

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 7時20分

日産「スカイラインGTS-R」のエンブレム(筆者撮影)

旧車ブームが続く中、1980年代に販売された国産スポーツカーの人気もうなぎ登り。近年は、中古車価格も著しく高騰しているが、なんと1800万円という破格値がつけられた日産自動車(以下、日産)の「スカイラインGTS-R」に遭遇した。

【写真を見る】800台限定のホモロゲーションモデル「スカイラインGTS-R」。美しすぎる内外装と2190kmという低走行などで破格の1800万円というプライスに

新車価格340万円が1800万円に

三重県のクラシックカー専門店「ヴィビンテージ宮田自動車」が「オートモビルカウンシル2024」(2024年4月12~14日・幕張メッセ)というカーイベントに展示していたこの車両は、1987年にわずか800台を限定販売。

かつて絶大な人気博した「全日本ツーリングカー選手権」などのレースに参戦するために、国際レギュレーションのグループAへ適合させたクーペモデルだ。新車価格は340万円と、当時のクルマとしては比較的高価。しかも限定の販売台数だったことで、その頃に青春時代を送ったスポーツカー好きなどには、「買いたくても買えなかった」人も多かったという、かなりレアなモデルだ。

【写真】800台限定のホモロゲーションモデル「スカイラインGTS-R」。美しすぎる内外装と2190kmという低走行などで破格の1800万円というプライスに(30枚以上)

だが、それにしても、かなり強気な価格設定と言えるだろう。ウェブの中古車情報サイトなどに出品されているこのモデルの中古車価格は、高くても800万円台であることが多いからだ。

では、なぜこの車両には、1800万円もの価格が付けられているのか? スカイラインGTS-Rというクルマを振り返るとともに、その謎に迫ってみたい。

スカイラインGTS-Rは、前述のとおり、全日本ツーリングカー選手権などのレースに参戦するため、日産が1987年に販売した限定仕様車だ。全日本ツーリングカー選手権とは、市販量産車をベースに改造を施した車両で競うレースのこと。自分の愛車、または街中を走るクルマたちが主役ということもあり、若者を中心に、当時のスポーツカー好きを虜(とりこ)にしたモータースポーツだ。

ちなみに日産製スポーツカーとしては、「スカイラインGT-R」のほうが有名だ。中型乗用車のスカイラインをベースに、動力性能を高めることで、数々のレースで活躍。1969年の初代「スカイライン2000GT-R」以来、現行モデル「GT-R」まで、長年、日産を代表するスポーツカーの地位を確立したモデルだといえる。だが、スカイラインGTS-Rが登場した当時、GT-Rは日産のラインナップから消滅していた時期。1989年にR32型スカイラインGT-Rが登場するまでの空白期間に、日産のレース対応車両としての役割を担ったモデルがGTS-Rだ。

ベースになったのは7代目R31スカイライン

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