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外国人との対話を十分に行わない日本人の悪癖 「○○人」と一括りではなく「個人」として付き合え

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 7時50分

途中でこのプログラムを辞めると、違約金として授業料約300万円を返済しなければならないため、辞められないとのことです。

20代のほとんどを日本で過ごす意味

ミャンマー国内の政治的混乱から生活が厳しくなる国民が多い中、仕事を選ぶ余裕もない状況で選んだ道。生きるための選択肢としては恵まれているかもしれませんが、20代の一番大切な時期の8年間、この制度は外国人目線で見れば複雑な心境になります。

来日3年目でITスキルも高く、日本語力も高い、ECサイトを運営する日本の会社で働くIT人材がいます。給料は能力から見れば決して高いわけではなく、転職しようと思えば引く手あまたで賃金も上がりそうです。

それでも転職しないその人材に対して、ある時、新谷社長は「なぜ転職しないの?」と聞いたそうです。すると、その人材は「何度も辞めよう、転職しようと思った。ただ、社長がミャンマーのためにがんばってくれているから、私もこの会社でがんばって恩返ししようと思っています」と答えたそうです。

とはいえ、こう考えてくれる社員だけではなく「すごく感謝され、関係は深くなるが、会社を辞めるときは割り切ってあっさり辞める」「ただ、今の国の状況もあって環境が厳しいし、文化の違いもあるので仕方ないこと」と笑って答えています。

「もちろん、いい気はしないが、それでも会社のこと、自分のことを気遣ってくれる社員らもいるのも事実。せっかく自ら育て思い入れのある人材でもあるので、どこかでつながっていれば、将来、ミャンマーの国が正常化して、弊社も事業が大きくなれば、一緒に働ける機会がやってくるのでは」と新谷社長は将来を見据えています。

外国人への先入観はいらない

「外国人は?」「中国人は?」「ベトナム人は?」と一括りにして語られることが多いですが、「日本人は?」と一括りにすることが難しいように、それぞれの国には宗教や文化的背景からくる特徴がありますが、個人は人それぞれです。

それなのに、外国人の話題になると、先入観から、何となく一括りにして相手のことをわかろうとしない傾向があるように感じます。問題を解決するためには、お互いが違うという前提をまず受け入れ、そのうえで、その違いを「コミュニケーション」を通して理解し合うことが重要です。

個人同士で体験すると、相手の魅力的な一面に気づくことができます。お互いの違いを理解し合う関係こそが多文化共生において大切であり、さらに日本の文化を伝え理解してもらうことが、「海外に選ばれる日本」への第一歩ではないでしょうか。

西垣 充:ジェイサット(J-SAT)代表

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