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東北海岸線「歩く旅」外国人に人気のワケを深掘り 全線1025km開通5周年「みちのく潮風トレイル」

東洋経済オンライン / 2024年6月9日 9時0分

② 夏ならではの味覚を楽しむ

5月からお盆までの時期の三陸はウニとホヤが旬を迎える。中でも三陸のウニは東日本大震災後に人気急上昇。牛乳瓶に詰められた岩手県の「瓶ウニ」はふるさと納税でも人気が高い。

岩手県最大のウニの産地である洋野町のルートは、すぐ横の岸壁の下に「ウニ増殖溝」と呼ばれるウニの養殖施設が17kmにわたって連なる。

外洋に面した遠浅の海底は平らな岩盤で、そこに掘られた溝は、干潮時にはくっきりと浮かび上がる。タイミングが良ければ漁師たちがウニを獲る様子が見られる。

すぐ近くには、ウニ丼やウニめしが名物の「はまなす亭」もあり、週末のお昼時は遠方からの観光客やハイカーでにぎわう。

三陸海岸の真ん中あたりにある山田町でも、ルートから10分ほど歩いたところにある「道の駅やまだ おいすた」のレストランのウニ丼が人気で、瓶ウニの発送もできる。

ほかにもルート近くにはいくつものグルメスポットがあり、ウニやホヤのほかにも定置網漁などで獲ったその時期ならではの魚を味わえる。また、三陸地域は知る人ぞ知るマツタケの産地でもあり、晩夏に採れ始める年もある。

ハイカーをもてなす「トレイルエンジェル」

③ 民宿やゲストハウスで地元と交流

登山に慣れたハイカーはテントを背負って歩くが、それは色々な面でハードルが高い。初心者には、ハイカー御用達の民宿やゲストハウスに泊まってゆっくり睡眠を取りつつ、オーナーや同宿のハイカーと情報交換をするのがおすすめ。

宮古市のゲストハウス「3710(みなと)」は、自身もMCTを踏破しガイドとしても活動するハイカーが運営する宿。ほかにも、MCTに魅せられて移住したハイカーが経営する民泊「m.s.s.books」もある。漁師が経営する「民宿おとべ荘」など食が充実した宿も多数。

④ 各地の“トレイルエンジェル”たちと交流

国内外のハイカーがこぞってMCTを評価する理由のひとつが、現地の人たちとの交流だ。

漁港を歩いていると、漁を終えたばかりの漁師から話しかけられたり、道ばたに腰掛けておしゃべりをしているおばあちゃんたちから「お茶を飲んでけ」と方言で誘われたりすることも。都会では味わえない心温まるコミュニケーションで、すっかりMCTのファンになるハイカーも多いという。

その中でも、ハイカーとの交流を日々の楽しみとし、歩き疲れたハイカーたちを温かくもてなし、時には助けてくれるのが「トレイルエンジェル」と呼ばれる現地の人たち。

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