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にぎりびと直伝「絶品おにぎり」作る簡単すぎる技 「おにぎりは人を幸せにします」神谷さん(後編)

東洋経済オンライン / 2024年6月10日 9時0分

「生活の知恵から、家庭を営むことの情報をあらゆる形で伝承してくれました」

そんな厳しい祖母が相好を崩して神谷さんをほめてくれるものがあった。

「おにぎりです。『あんたがにぎったおにぎりは美しいね』『おいしいね』と、なぜかいつも私のにぎるおにぎりをほめてくれました。別に何も特別なことはしていなくて普通ににぎっていただけなのですが。

だからそのころから『自分はおにぎりが得意』という勝手な思い込みができてしまったのだと思います(笑)」

高校生になり、お弁当生活になってからはおにぎりだけは自分でにぎって「竹の皮」に包んで持って行っていったという。

「『竹の皮』は通気性がよく、ほんのり香りもいいから、かつての日本では竹の皮におにぎりを包んでいたんですね。それを誰に教わった記憶もないのですが、ラップやアルミホイルではなく、竹の皮を使っていました。

当時からおにぎりをおいしく食べたいという意識が強かったのだと思います」

「祖母仕込みの料理スキル」が本領を発揮したのは、大学生になって一人暮らしをはじめて以降のこと。

「大学時代の友達に会うと今でも言われるのが、大学に入ってすぐにゼミの遠足があって、そこに私は巻き寿司を巻いて持って行ったんですね。

それがみんな衝撃的だったというんです。私が一人暮らしなのをみんな知っていましたから、『これ自分で作ったの?』と、ものすごく驚かれました。

子どもの頃は運動会や遠足と言ったら祖母が巻き寿司を作ってくれていたので、私の中では『遠足=巻き寿司』という刷り込みがあったんですね。

大学生になりたての私に『頼むから俺の嫁になってくれ』と先輩が言い出す一幕もあったりして(笑)。一生食事の心配をしなくていいと思ったのかもしれません(笑)」

子どもが生まれてからも、本当によくにぎった

大学を卒業後、社会人を経て結婚、3人の子どもに恵まれた。

「子どもが生まれてからもおにぎりは本当によくにぎっていました。

小さいときって友達の家に呼ばれたり、ママ友も一緒になって集まったりすることが多いですよね。そういうときに食べ物を持ち寄るんだけど、みなさん、ケーキとかクッキーとかを持ってくることが多いんです。パンを焼いてくる人もいましたね。

そんな中で私はいつもおにぎりを持って行っていたんです。

小麦や卵のアレルギーのある子も多かったから、そういう子はクッキーやパンは食べられないじゃないですか。でもごはんならみんなが食べられます。おにぎりなら安心なんです。

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