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「生保業界のビッグモーター」にすり寄る生保 生保による過剰な便宜供与と利益供与が復活

東洋経済オンライン / 2024年6月11日 20時30分

FPパートナーは「マネードクター」のブランド名で事業展開している(編集部撮影)

〝生命保険業界のビッグモーター”──。同業者からそう呼ばれている保険代理店がある。東証プライム市場に上場するFPパートナーだ。多数の営業社員(募集人)を抱え、訪問販売型の代理店としては最大手だ。

【写真】SOMPOひまわり生命保険は全国各地でFPパートナーの営業社員向け研修会兼懇親会を開催。総額数百万円の会場費用はひまわり側が負担している

足元の業績は好調だ。2023年11月期の売上高は305億円で、純利益は39億円。4年間で売上高は1.8倍、純利益は6.0倍に拡大しており、まさに破竹の勢いで成長している。

株価も右肩上がりで推移している。2022年の上場時は1700円前後で推移していたが、2024年3月には7500円を突破した。株式市場からの期待が高く、急成長中の企業であるのに、なぜそうした不名誉な呼ばれ方をしているのか。その理由を具体的に解き明かしていこう。

採用数の半分弱の退職を見込む

最初に注目すべきは、保険会社による営業社員の採用支援とあっせんだ。FPパートナーの営業社員数は、2023年11月末時点で2326人。「営業社員の増加が新規契約増加、売上高増加のドライバー」(IR資料)であるため、今期は700人の採用を計画している。

足し合わせれば、営業社員が今期末で3000人規模となるが、着地の見込み人数は2700人程度にとどまる。採用数の半分弱に当たる300人前後の退職を見込んでいるからだ。生保大手の比ではないほどの「ターンオーバー(大量採用、大量退職)」が起こっていることになる。採用が追いつかないため、FPパートナーは生保会社にも採用活動を手伝わせており、入社の見込みがありそうな人物をあっせんしてもらっている。

FPパートナーへの「募集人候補紹介」に、最も汗を流しているとされるのが、東京海上日動あんしん生命保険だ。関係者によると、あんしん生命の社員が、FPパートナーに興味がありそうな募集人を生保大手などから探し出して、グループの人材紹介会社、東京海上日動キャリアサービス(TCS)への登録を勧める。その後、TCSからFPパートナーに紹介するスキームになっているという。

SOMPOひまわり生命保険も負けていない。採用活動を担うFPパートナーの人材開発室に、ひまわりの社員2人を出向させているほか、各地でリクルートセミナーを開催。ひまわり生命のある社内資料には「セミナー集客数54人は全保険会社ナンバーワンを維持」「今後も引き続きセミナーへの集客をお願いいたします」とつづられている。

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