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「クリスピー」大量閉店から復活果たした独自路線 ミスドとは違う突き抜けた個性を追求

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 11時30分

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの若月貴子社長(撮影:風間仁一郎)

今から約18年前に日本に上陸した「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は(1号店は東京都渋谷区代々木の「新宿サザンテラス店」)、ブームに乗って一時期「64店」まで拡大したが、2015年度に17店を閉店するなど失速。しかし近年は急速に盛り返し、日本での店舗数は「74店」(2024年5月現在)となった。

【写真を見る】見た目のかわいさ、サイズの大きさが特徴のクリスピー・ドーナツ

国内で約1000店を展開している「ミスタードーナツ」とはケタが違うが、クリスピー・ドーナツの店舗はすべて直営店だ。

今年5月には、巨大ショッピングモールのイオンレイクタウン内(埼玉県越谷市)に出店した。同施設内にはすでに別の店舗(越谷イオンレイクタウンkaze店)があるが、こちらは中庭のような場所に設置されたトラック型の店舗(テイクアウト専門店)だ。

「新店は愛犬と一緒に来られるお客さまも多く、近隣の方が利用されているのを感じます。一方のkaze店は、イオンモールに買い物に来られた方が多く立ち寄ってくださる広域型で、客層のすみ分けができています」とクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの若月貴子社長は話す。

若月社長は西友出身

若月社長は大学卒業後に西友に入社。その後、経営共創基盤を経て2012年に入社し、2017年から社長を務める。小売業とコンサル業の経験も豊富だ。

なぜ、一時は低迷したクリスピー・ドーナツを再生できたのか。

「ブランドの特徴や個性を打ち出しながら、販売チャネルを増やし、お客さまと向き合ってきました。コロナ禍でも、それ以前の取り組みが功を奏した一面もあります」(若月社長)

若月社長の入社時、2012年3月期の売上高はそれまでの過去最高を記録した。だが社内は「大学のサークルのよう」だった。そこで組織・人事を見直し、コスト効率と出店戦略を再構築した。

ふわっとした柔らかい食感

もともとクリスピー・ドーナツは、“毎日粉からつくる生地”や“ふわっとした柔らかい食感”が特徴。製造小売業の一面も持つ。今回、筆者の交流ルートから同ブランドに対する消費者(20代~40代)の声を聞いたので、ご紹介したい。

「見た目がかわいい商品が多いが、競合のドーナツ店に比べて種類が少ないと思います」(20代女性)

ここでいう「かわいい」とは、例えば「バーバパパ カスタード ハート」「バーバズー レアチーズ ハート」や「ハート スマイルカスタード」(5月下旬までの期間限定品で、現在は販売終了)のような商品だろう。

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