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大阪メトロ野田阪神駅「ライバル社名」を名乗る謎 千日前線の始発駅、降車ホームに広がる異空間

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 6時30分

最終的に阪神は起点を野田ではなく西九条へ変更し、阪神なんば線として開業させることになるのだが、このような因縁がある千日前線の駅に「阪神」の名が入っているとは、なかなか興味深い。

そんな野田阪神駅は、1969年に千日前線が初めてできた際、その始発駅として開業した。

ところで、開業時から現在まで始発駅のまま残っている大阪メトロの駅は、2000年代に入って開業した今里筋線を除けば同駅と堺筋線の天神橋筋六丁目駅、そしてニュートラムの住之江公園駅の3つだけ。しかも、天神橋筋六丁目駅は阪急との相互乗り入れ駅であり、住之江公園駅は四つ橋線との乗り換えを前提としているため、どちらも延伸の余地がない。

他方、千日前線はかつて神崎川方面への延伸構想があったものの、実現することはなかった。そういった点でも、野田阪神駅は珍しい存在と言えるだろう。

改札口もユニーク

同駅の線路は対向式ホーム2面2線という構造。改札口は2020年に北改札と南改札が廃止され、中央の1カ所に統合された。「統合」といっても、1番線と2番線はつながっていないため、それぞれ中東改札と中西改札が用意されている。そして、この改札口にもユニークな点がある。

「当駅の2番ホームは、朝夕時間帯に降車専用として使っています。2番線に到着した列車は、乗客を降ろした後で回送列車として玉川方面に向かいます。従って、2番ホームに唯一つながる中西改札の自動改札機も出口専用となっているんです」(永井さん)

確かに、自動改札機を見てみると構外側にはきっぷの挿入口がない。出口専用改札というのはほかの駅にもあるが、改札外からホームにまったく入れないというのはここだけだ。

一般客が立ち入るには、朝夕に運転される2番線到着の列車に玉川方面から乗るしかないという、なんともハードルの高いこのホーム。だが、そこにはタイムスリップしたような空間が広がっている。

「このホームの柱には、昔のデザインの駅名標が残っています。ほかの駅ではほとんど見られなくなっているので、写真を撮る人もちらほら見かけますよ」(永井さん)

レトロな空間が広がる

独特の書体で書かれた駅名標は印刷ではなく、プラスチックを切り出した文字が貼り付けられている。確かにレトロだ。天井も化粧板などは張られておらず、コンクリートや配管がむき出しのまま。ちょっとした異空間に降り立ったような気分になる。

ところでこのホーム、実際に”異空間“になったことがある。2015年から数年間、ハロウィンに合わせたイベントがこのホームで開催されたのだ。

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