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「面倒くさがりな子」ほど数学ができる驚きの理由 「どこかで楽ができないか」と考える子が伸びる

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 9時0分

このように、「綺麗な数」を意識して算数・数学を勉強している人は、大人になってからもビジネスでこの発想を活かすことができます。

例えば、2020年にファミリーレストランの「サイゼリヤ」は、すべてのメニューの価格改定をしました。

僕は「コロナの余波もあり、100円くらい値上げするのかな?」と思っていたのですが、蓋を開けてみると、なんとメニューの多くで「1円の値上げ」を行ったのです。

「たった1円? なんで?」と話題になったのですが、このサイゼリヤの戦略は算数的に非常に正しいものだったのです。

さて、価格改定後の税別価格はこんな感じでした。

・辛味チキン 273円
・にんじんサラダ 182円
・コーンクリームスープ 137円


・ミラノ風ドリア 273円

・マルゲリータピザ 364円

一見、なんの変哲もない数字ですね。ですがこれ、税込み価格にして換算するととんでもないことがわかります。

・辛味チキン 300円
・にんじんサラダ 200円
・コーンクリームスープ 150円
・ミラノ風ドリア 300円

・マルゲリータピザ 400円

そう、下2桁が「00円」「50円」の、計算しやすい値段になっているのです。

こうすると、何が起こるのか? 使う硬貨が少なくなるのです。「00円」「50円」なら、1円とか5円とか10円とかを使う必要がなくなりますよね。500円玉と100円玉と50円玉で済みます。

これによって、サイゼリヤは「取り扱い硬貨80%削減」を目指すとしています。これを先ほどの「綺麗」という考え方に置き換えると、「300円に-1円の混ざり物が入っている」と考えて、1円の値上げをした、ということだと考えられます。

「9000円の商品を作るべきではない」ワケ

また、僕は会社経営をしている社長から、「9000円の商品を作るべきではない」というアドバイスを受けたことがあります。その理由は、こういうことでした。

「9000円って、消費税を考えれば9900円になるでしょ? これって計算が面倒くさいんだ。だから、そのくらいの値段の商品を作るなら、9091円にするといいよ。

9091円×1.1(消費税)=10000.1円(端数切り捨てでちょうど1万円)

になるから」

たしかに、1万円ぴったりのほうが計算しやすいですよね。この場合、「9000円は一見綺麗に見えるけれど、9900円と考えると、-100円の混ざり物がある」ということだと考えられます。「学校の勉強なんて社会に出てから役に立たない」なんてよく言われますが、実際にはこんなふうに役に立っているわけですね。

「綺麗=余計な混ざり物がないこと」と定義して、余計な混ざり物を排して思考していく発想力を鍛える。

小さいときからそういったことが当たり前になっている子であれば、大人になってからも算数をいろんな場面で活かすことができます。こういう人のことを「数字に強い人」と言うのかもしれませんね。皆さん参考にしてみていただければと思います。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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