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ハマスとの停戦めぐり揺れ動くイスラエル国民 人質の全員解放か、ハマスの壊滅か…割れる意見

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 17時0分

ハマスはガザ市民を「人間の盾」としていることは周知の事実だが、人質も同様で、IDFの攻撃によって犠牲になった人質がいることも判明している。生還したノアさんの証言によると、自身もIDFのミサイル攻撃によって命の危険を感じたことがあったという。

戦時内閣からガンツ氏が脱退

6月8日の午前11時、作戦が開始された。ハマスは、IDFがヌセイラット難民キャンプの一角を包囲している情報をつかむと攻撃を開始し、激しい銃撃戦となった。

救出部隊は、建物の1階にいたノアさんを救出した後、3階の3人を救い出した。11時15分、「ダイヤモンドはわれわれの手に」と伝えられた。人質を保護したという報告である。

救出自体は短時間で完了したが、数百人の武装テロリストが周りを取り囲み、救出部隊を執拗に攻撃し続け、人質を運搬するためのトラックが爆破された。それで保護した人質を海岸へと導き、最終的にIDF空軍のヘリでイスラエルに連れ戻した。11時50分のことである。

テロリストとの激しい銃撃戦により、ヤマムの指揮官1人が犠牲になった。ハマス傘下のガザ保健省の発表では、パレスチナ人274人が死亡し、698人が負傷したとされている。

人質奪還のニュースにイスラエル中が沸き立った日の翌6月9日、戦時内閣に参加していたベニー・ガンツが辞任を発表した。ガンツは戦争勃発の5日後に戦時内閣に加わったが、つねにネタニヤフ首相との不協和音が報じられていた。ガンツはこの日、65歳の誕生日を迎えた。

「戦争が勃発した後、私たちは政治的パートナーシップからではなく、運命共同体として1つになる必要性を感じ、緊急内閣に加わった。けれどもこの内閣は、政治的な判断に重きを置き、重要な戦略的決定を先延ばしにしている」

ガンツはネタニヤフ政権を厳しく批判し、総選挙を行なうことを提案した。

「残念ながら、われわれが真の勝利へ向かうことを阻止しているのはネタニヤフである。真の勝利を獲得するには、この秋、戦争から1年が経つ頃に、総選挙に臨むことが適切であると考える。国民の信任を得た内閣を立ち上げ、困難な挑戦に立ち向かうためである」

ガンツの政権離脱の発表がなされた後、イスラエルのチャンネル11が世論調査を行なった。「もし今、総選挙が行なわれたとしたら、どの政党に投票するか」(注:イスラエルは比例代表制なので政党に投票する)に対する答えの割合を、議席数に換算したものが次である。

イスラエル世論調査でわかる2つのこと

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