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年商1億円も「閉店発表」ラーメン店に起きた奇跡 拡大の中で感じた虚しさと、再出発で掴んだ幸せ

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 12時0分

「Ramen Dream 桐麺」桐谷店主。年商1億円の人気店を育てるも、マネージャー業に仕事が変わるなかで虚しさが生じ、「計画的サヨナラ」を決意したが…(筆者撮影)

大阪は阪急電鉄・神崎川駅から徒歩12分のところに、大阪でトップレベルの人気を誇る行列店があった。「桐麺 本店」だ。

【画像】「TKM(たまごかけ麺)」の関西での火付け役に! 絶品、桐麺の「冷やし桐玉」はこちら(9枚)

大阪・福島の行列店「ラーメン人生 JET」出身の店主・桐谷尚幸さんが2014年12月にオープンしたお店。「食べログ百名店」にも毎年選ばれ、日本最大級のラーメン専門クチコミサイト「ラーメンデータベース」では大阪府総合1位に輝いたこともある名店だ。

屈指の名店に育て上げるも、虚しさが生じたワケ

そんな「桐麺」が昨年1月に突然閉店を発表した。

お知らせです。
「桐麺本店」「中華そば桐麺」「桐ちゃん製麺」今ある桐麺3店舗 2023年7月末に閉店します。


桐家は兵庫県加西市に引っ越し、夢のラーメン屋付き住居で自分のラーメンの究極を追う「Ramen Dream 桐麺」として家族で出発します。
7月末まで大阪桐麺がんばります!
麺 for all All for 麺

茹でた麺の上にタレをかけ、卵を載せた「釜玉桐麺」、その冷やしバージョンである「冷やし桐玉」が大ヒットした。

【画像】「TKM(たまごかけ麺)」の関西での火付け役に! 絶品、桐麺の「冷やし桐玉」はこちら(9枚)

今年のヒット番付にも入った「TKM(たまごかけ麺)」の関西での火付け役は「桐麺」といってもいいだろう。

その人気とともに社員が育っていき、桐谷さんがお店に立たなくてもしっかり回るようになっていた。桐谷さんの仕事は自ずとラーメン職人からマネージャー業に代わっていったのだ。

年商は1億円を突破していたものの、生涯ラーメン職人を目指していた桐谷さんはなにか虚しさを感じていたという。

弟子たちが独立を志願していたこともあり、ここで閉店をし、地方で夫婦二人で再出発することを決めたのだった。

この「桐麺」の“計画的サヨナラ”が話題となり、常連客を中心に7月の閉店までたくさんのファンたちが行列を作った。桐谷さんは大阪のお店の閉店と、兵庫県加西市での新たな門出の準備をしていた。

常連客「どうにか本店だけでも…」

しかし、このままでは終わらなかったのだ。計画的サヨナラを発表した後、「どうにか本店だけでも残してくれないか」という声が常連客から多く上がり、桐谷さんは大阪の店を残すすべがないか考え始めた。

「JET」時代の後輩で、多くの飲食店を展開する知人の松井利也氏に相談すると、桐谷さんが味の監修・チェックをする前提で受け継いでもらうことになった。こうして株式会社桐麺JAPANが立ち上がった。神崎川の本店は閉店することになったが、十三にある支店を残せることになった。

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