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フランス「極右首相」は生まれるか、何が起きるか 危機感に賭けたマクロン大統領の勝算とリスク

東洋経済オンライン / 2024年6月12日 9時30分

外交・国防分野は大統領が大きな権限を持つため、ウクライナ支援の見直しにつながる可能性は低いが、国民連合は、欧州人権条約に違反する形での移民規制の強化、EU予算へのフランスの拠出負担の軽減、フランスの事業者や農業従事者の優遇(フランス第一主義)、バラマキ的な財政運営などを主張している。

5月31日には大手格付け会社がフランスの国債格付けを「AA」から「AA-」に引き下げた。政局不安、EUとの関係悪化、財政再建が進まないとの懸念から、フランス国債に売り圧力が及んでいる。

欧州各国を席巻する極右

極右主導の連立発足で基本合意したオランダや、秋の総選挙で極右政党が第一党になる可能性が高いオーストリアに加えて、フランスでも極右主導の政権が誕生した場合、EUの屋台骨を揺るがしかねない。

フランスとEUの未来を左右する運命の総選挙まで残り1カ月弱、フランスの政局展開から目が離せない。

田中 理:第一生命経済研究所 首席エコノミスト

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