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「怪しい数字」にまんまと騙される人に欠けた視点 「数字は嘘をつかない」と「信頼できる」は別問題

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 10時0分

「数字は嘘をつかない」といいますが、数字を示す側が相手を騙そうとしている可能性はあります(写真:ふじよ/PIXTA)

「数字に弱く、論理的に考えられない」

「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」

「魅力的なプレゼンができない」

これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。

今回は「数字のトリック」について取り上げ、怪しい数字に騙されない人になる方法を紹介する。

「不快指数が高いから不快」は本当?

蒸し暑さを感じる梅雨の季節。この時期になると何気なく耳にする言葉に「不快指数」というものがあります。不快指数とは、蒸し暑さを示す指標です。あなたも気象情報などで見聞きしたことがあるのではないでしょうか

【写真】仕事ができる人は、みな「数学的」だった!

あなたの周囲にいるどなたかが、次のような発言をしたとしましょう。

「明日は不快指数が80なので不快だ(過ごしにくい1日だ)」

さて、あなたはこの発言をどう受け止めるでしょうか。「不快指数が高いんだからそりゃ不快でしょう?」と思われた方、もしかしたら、あなたは典型的な「数字に騙されやすいタイプ」かもしれません。

この例は、騙されやすい人がはまる落とし穴を浮き彫りにします。いったい何が問題なのでしょうか。そして、どうすれば落とし穴にはまってしまう残念な人にならずにすむか、解説します。

まず、先ほどの発言には2つの「ツッコミどころ」があります。まず、「不快かどうかはあくまでその人の感覚によるものだ」といった類のツッコミが考えられます。少しばかりひねくれた視点と思われる方もいるかもしれませんが、個人的にはもっともな指摘だと納得します。

騙されたくなければ「定義」を確認

ただ、もうひとつ、より重要なツッコミが考えられます。

「そもそも、不快指数の定義は?」

というツッコミです。

この指摘ができる人は、そもそも不快指数の定義がわからなければ、たとえその数値が高くても、意味づけや評価などできるわけがないと思っています。数字の定義がわからないのにその数字に意味づけをしてはいけません。

では不快指数の定義を確認してみましょう。複数の定義があるようですが、一般的には次の定義が用いられます。

不快指数 = 0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3

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